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【有馬記念】障害界の絶対王者、オジュウチョウサンで挑む平成最後のグランプリ。武豊騎手「何とか見せ場をつくりたい」

2018年12月17日6時0分  スポーツ報知
  • カクテル光線を浴び馬場入りするオジュウチョウサン

 ◆第63回有馬記念・G1(12月23日・芝2500メートル、中山競馬場)

 日本中央競馬会(JRA)の一年の総決算、第63回有馬記念・G1が23日、中山競馬場で行われる。ファンの熱い注目を集めるのは、障害界の絶対王者で平地競走に挑戦してきた“二刀流”のオジュウチョウサン。鞍上を務める武豊騎手(49)=栗東・フリー=は、トップタイの3勝を挙げる平成の有馬記念の名場面を振り返りながら、異端児で挑む平成最後のグランプリへの思いを語った。(取材・構成 宮崎 尚行)

 平成最後の有馬記念にふさわしい役者がそろった。メインキャストはもちろん武豊。まさにこの時代の日本競馬を先導してきた第一人者だ。「全く重さが違う」と格別の思いを明かす暮れのグランプリ。88年の初騎乗(スーパークリーク=失格)から通算28回目の今年は、異色のパートナーと迎える。障害の絶対王者オジュウチョウサンだ。

 「すごく、注目されていますよね。競馬以外の取材依頼が多い。条件は厳しいけど、ファンの夢があって面白いんじゃないかな。暮れのG1に強い馬ですしね」

 昨年までは同じ週に行われる中山大障害で2連覇を達成。通常の平地競走とは違う障害競走でJ・G1・5勝を含む重賞9連勝を挙げてハードル界の王者に上り詰めた。その後は有馬参戦を目標に掲げ、再転向した平地競走で2連勝。ファン投票で3位に入り、グランプリ出走にたどり着いた。

 「体がすごく柔らかくて、頭の低い走り。僕の中では障害馬っぽくない。1000万を勝っても、全く不思議じゃなかったです。何とか見せ場をつくりたいですね」

 挑む壁は高いが、ファンの視線は熱い。それは何より、平成のこの舞台で何度も名場面を演じてきた名手とのコンビだからだ。

 「いろいろありましたね。いいことも、苦いことも。やっぱり、悔しい思いの方が強いですね。2着(8回)が多い」

 3勝は歴代トップタイで、いずれも競馬史に残る名馬のラストラン。初Vは90年に競馬ブームの火付け役となった、『芦毛の怪物』オグリキャップだった。

 「あのレースは僕の中で大きいです。今でも、語り継がれているほど。この時期になると、毎年振り返らされますし(笑い)。でも、それだけのレースだったということ。まさか、勝つとは思わなかったですから」

 下降線をたどっていたアイドルホースを鮮やかに復活させたシーンは、多くのファンを感動させた。誰も予想できなかった結末に驚きを隠さないが、06年のディープインパクトは対照的だ。

 「負けられない、負けちゃいけないという感じでした。あそこまで自信があったら緊張も大してしなかったし、最後だと思って味わって乗りましたね」

 そして、昨年のキタサンブラック。歌手の北島三郎オーナーとのタッグでも話題を集めて、社会現象にまでなった。

 「勝ちたいというより、勝たせて花道を飾らせてあげたいという思いが強かったです。前年(2着)に負けていたのもありましたから」

 有馬記念を控えて、武豊の下には複数頭の騎乗依頼があった。その中からオジュウチョウサンを選んだのは、競馬界の第一人者らしい理由だった。ファンの声だ。

 「どれも乗りたかったけど、一頭にしか乗れないから。一番最初に声をかけてもらったこともあるけど、やはりファン投票3位というのは大きな要素ではあります。昔から有馬記念に行くのが夢だったとおっしゃっていた、オーナーの熱意も感じていました」

 初めてコンビを組んだ2走前の平地戦から2連勝。大一番に向けて特徴と、ある種の手応えもつかんでいる。

 「500万勝ちの福島が道悪だったから、良馬場の前走でどんな走りをするかと。少頭数(7頭)で恵まれた面があったし、時計も強調できないけど、思いのほか軽い馬場の方が走りが良かったです。馬自体も良くなっているなと、感じました」

 その前走の南武特別で、改めて感じたのがファンの熱気だった。

 「ちょうどスタンド前の発走で、ゲート入りの時に拍手が沸いたんです。隣にいた武士沢騎手が『土曜の9Rで拍手なんて、騎手人生で初めてだ』と。歓声もすごくて、重賞並みでしたね」

 中山大障害優勝馬の平地G1挑戦は、97年に天皇賞・春に出走したポレール(12着)以来21年ぶり。平地2勝馬が有馬記念を勝てば、83年のリードホーユー以来、35年ぶり2頭目の快挙。さらに7歳の制覇は70年のスピードシンボリ以来、48年ぶり2頭目の偉業だ。記録ずくめのトライを、天才も粋に感じている。

 「デビューで大敗(11着)して、その後の未勝利もいまひとつ。一度は競走馬として難しいとされた馬が、新しい道でね。そこでも一度はしんがり負けして、そこから障害の絶対王者にまでなった。そのままいれば無敵なのに、あえて平地にまた参入。夢がありますよね。レースが終わったら、100円の単勝馬券にいっぱいサインさせられるでしょうね(笑い)。ディープもキタサンもそうでしたから」

 すでに人気は名馬級。スターコンビがつづる、平成有馬のラストストーリー。結末から目が離せない。

 ◆武 豊(たけ・ゆたか)1969年3月15日、京都府生まれ。49歳。87年3月1日にデビュー。07年7月に岡部幸雄・元騎手の歴代最多勝利記録を更新する2944勝を挙げ、18年9月29日に史上初の4000勝達成。JRAの通算勝利は4018勝で、重賞はG1・75勝を含む331勝。父は騎手で調教師だった武邦彦さん(16年8月死去)。弟は元騎手の武幸四郎調教師。妻は元タレントの佐野量子さん。身長170センチ、体重51キロ。(記録は全てJRA)

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