【有馬記念 池添謙一騎手独占手記】ブラストワンピースで有馬記念単独最多4勝目!外国人騎手G1制覇10週連続で止めた!「G1を勝てる馬と言い続けたことを現実にできた」

スポーツ報知
ブラストワンピースと有馬記念を制し、左手人さし指をスタンドに突き上げる池添(中央)

◆第63回有馬記念・G1(12月23日・芝2500メートル・中山競馬場、稍重)

 平成最後のグランプリ、第63回有馬記念は23日、中山競馬場で行われ、唯一の3歳馬で3番人気のブラストワンピースが、1番人気のレイデオロの猛追を首差でしのぎ、G1初制覇を果たした。同レース単独最多となる4勝目、宝塚記念とのドリームレースは武豊と並ぶ最多7勝目を挙げた池添謙一(39)がスポーツ報知に独占手記を寄せた。

 有馬記念をブラストワンピースで勝つことができました。もちろんめちゃくちゃうれしいです。でも、それ以上に結果を出せたことへの安堵(あんど)感、G1を勝てる馬と言い続けたことを現実にできた達成感の方がはるかに大きい。

 日本ダービー(5着)、菊花賞(4着)でうまくサポートできなかった悔しさしかありませんでした。だからこの借りを有馬で返す。これしかなかった。最高の状態に仕上げてくださっていましたし、きょうは攻めることしか考えていませんでした。

 課題のゲートもうまく出せましたし、強い気持ちでポジションを取りに行きました。最初のコーナーで外から締められそうになったときも絶対に引かない。そんな決意で行きたい道を確保しました。そこからは折り合いよく、最高のリズムで走ってくれました。

 レイデオロがうしろにいることはわかっていましたが、振り返らずに攻めることに徹しました。なんのためらいもなく勝負どころで「ここだ!」とGOサインを送りました。最後にレイデオロが猛追してきましたが、ブラストも反応し続けてくれてましたし「負けない」と追い続けました。

 ガッツポーズをして戻ってくるときにふと脳裏に浮かんだシーンがありました。昨年の夏に大竹先生が「俺の最初のG1はお前のような気がする」って笑って言われ、それに「僕もそんな気がします」って返したんです。これまでにもチャンスはあったんですが、ようやく実現することができました。ふがいないレースがあったのに乗せ続けてくれた感謝の思いはもう…。大竹先生、お待たせして申し訳ありませんでした!

 みんなが最高の笑顔でいる検量室に引き揚げてきたときの気分、最高でした。

 今年は色んな意味で厳しかった。クラシック2冠を含めG1戦線では「何やってんだ、俺」って勝負もありました。外国人騎手が来日してすぐにG1に騎乗し、勝っていく。日本人騎手としてやりきれない気持ちも存在していました。でも、そんな状況を克服するには頑張って、頑張って、頑張ってうまくなるしかないんです。外国人騎手のG1連続勝利を10週でストップできたことも少しはうれしいかな。

 このG1勝利でほんのちょっとだけ借りを返せましたが、ブラストはまだ背中や腰の筋肉が成長段階。来年はもっともっと強くなってきます。2019年はさらなる高みを目指して一緒に頑張っていけたら。そう思っています。

 最後にブラストワンピースを応援してくださったファンの皆様、本当にありがとうございます。よいクリスマスをお過ごしください。(JRA騎手)

 ◆ブラストワンピース 父ハービンジャー、母ツルマルワンピース(父キングカメハメハ)。美浦・大竹正博厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は7戦5勝。総収得賞金は4億3850万8000円。主な勝ち鞍は毎日杯・G3、新潟記念・G3(18年)。馬主は(有)シルクレーシング。

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