今年も色々ありました…本紙選定、競馬界表&裏10大ニュース

スポーツ報知

 数多くの話題にあふれた今年の競馬界。スポーツ報知では「2018年競馬10大ニュース」を選定。大記録達成に沸いた「表」のトップ10と、珍事が相次いだ「裏」のトップ10を、坂本達洋、宮崎尚行記者がトークで振り返った。

<表10大ニュース>

1位 武豊、前人未到のJRA通算4000勝達成

2位 牝馬3冠のアーモンドアイが、ジャパンCで世界レコード制覇

3位 ルメールがG1年間最多勝記録更新! 年間賞金や勝利数も

4位 障害絶対王者オジュウチョウサンが平地再転向で有馬記念出走

5位 福永祐一が19度目の挑戦で悲願の日本ダービー制覇

6位 藤田菜七子、JRA女性騎手通算最多勝記録更新

7位 11月11日の京都競馬で外国人騎手が1日最多11勝

8位 サクソンウォリアー、スタディオブマンのディープ産駒が海外クラシックを制覇

9位 モズアスコットが安田記念を異例の連闘V

10位 武幸調教師が兄とのコンビで初陣勝利

<裏10大ニュース>

1位 新人の山田敬士が、新潟競馬で前代未聞の距離錯誤で騎乗停止

2位 初出走のヘヴィータンクが弥生賞で大敗。即引退

3位 中竹厩舎 リーディング2位の大躍進も 道交法違反の角居調教師の管理馬が転厩して大活躍。それでも通算500勝は「自厩舎」で決めた

4位 大活躍のモレイラ、JRA通年免許受験も不合格。取材中に涙も…

5位 北海道2歳優駿誤審事件

6位 林満明が前人未到の障害2000回騎乗で引退するつもりが、所属厩舎が決まらず 大みそかでやっと引退

7位 大雪で2月の小倉開催開幕週が火曜日まで開催順延(9月末の阪神開催も台風の影響で2日順延に)

8位 ミオプラネットが馬運車への積み込みを拒否して出走取消。またがったスタッフに頭突きをして流血も

9位 オジュウチョウサン、グッズは異例のG1級のバカ売れの裏で障害時代の主戦石神深一は中山大障害3連覇も「オジュウの負ける姿は見たくなかった」

10位 藤田菜七子が「JRAジョッキーズDAY」でばんえい競馬初挑戦

 坂本(以下、坂)「あぁ~、まつりだ、まつりだ~」

 宮崎(以下、宮)「平成最後の競馬10大ニュース、いきなりボケから入らんでええから。それはキタサンブラックが有馬でラストランを飾った去年やろ!」

 坂「せっかく2年連続で同じ2人で振り返るならと思って…。でも、武豊騎手のJRA通算4000勝をはじめ、お祭り騒ぎの記録ラッシュでしたね。見ても分かるように、メモリアルな話題尽くしです」

 宮「地方競馬では“大井の帝王”こと的場文男騎手が、8月に地方通算7152勝で日本記録を更新。鉄人・佐々木竹見元騎手の記録を抜いたのもすごい」

 坂「62歳になった今も豪快なフォームでバリバリ追っています。大井時代の後輩、戸崎騎手は『レースに対する準備や姿勢は後輩たちに見習ってほしい』と、若手の素晴らしいお手本と語っていましたよ」

 宮「若手と言えば、1年目の山田騎手が前代未聞の大失態をしてもうたな」

 坂「10月13日の新潟6R(ダート2500メートル)で、距離を勘違いして、1周目の直線でスパート。レースがあと1周残っているのに、ゴール板を通過した後に減速してしまいましたからね」

 宮「2周目の向こう正面で気づいたようだけど、時すでに遅し。次々に抜かれて、勝ち馬から4秒8差の最下位12着。2番人気の馬だったし、来年1月13日まで3か月間の騎乗停止処分となったな」

 坂「ミスは言い訳できませんが、もともと美浦トレセンでは真面目な姿勢で、関係者から愛されるキャラクターです。これも糧にして、頑張ってほしいですね」

 宮「報知杯弥生賞は、未出走馬のヘヴィータンクが話題に」

 坂「勝ったダノンプレミアムから22秒9も離された最下位で、この1戦だけで引退して乗馬になりました」

 宮「3歳春のクラシックG1のトライアルには、未出走馬もエントリー可能なルールだけど、極めて珍しいケースで物議を醸したよな」

 坂「7月に角居調教師が道路交通法違反(酒気帯び運転)の容疑で逮捕されたことにも驚きました。その影響で全ての管理馬が中竹厩舎に転厩したことが、異例の事態を招くことに」

 宮「春先から絶好調だった首位の藤原英厩舎を猛追して、調教師リーディング2位の56勝。最後は転厩馬のサートゥルナーリアがホープフルSでG1制覇だもんな。来年1月7日には再転厩で元に戻るけど」

 坂「でも、11月に達成した通算500勝は福島の障害戦で“自厩舎”の馬(メリオラ)でしたよね。障害絶対王者のオジュウチョウサンが、平地に再転向して有馬記念挑戦をかなえるなど、珍事の多い年でしたね」

 宮「グッズのぬいぐるみを3万個製作とか、普通のG1馬よりもはるかに売れたなんてビックリだね。障害と言えば、ベテランの林騎手が節目の障害2000回騎乗で引退を宣言。6月の東京ジャンプSがラストライドとなったけど、その後の所属先が決まらず、正式な引退の日を大みそか(31日付)まで引っ張ることに。中竹厩舎の調教助手になることで落ち着いたそうで、何はともあれよかった」

 坂「モレイラ騎手が、通年免許の一次試験で不合格になったのも衝撃でしたね。短期免許期間だけで76勝で連対率5割2厘の成績通り、腕はピカイチなのに」

 宮「試験の難しさは承知でも、結果を受けての会見では涙を見せとったくらいだからショックだったろうな。ルメールとMデムーロの2人で計368勝で、今年はその他も含めて外国人騎手の活躍が目立ったのは間違いないな」

 坂「今年の漢字は『災』でしたが、自然災害は競馬界にも被害が大きかったですね。北海道胆振(いぶり)東部地震で地方の門別競馬場や馬産地が被害を受けましたし、雪や台風の影響による順延もありました」

 宮「競馬界を今年の漢字で表すと、『新』(記録)とか『珍』(事)がふさわしいかな」

 坂「ジャパンCでアーモンドアイの“世界レコード”もありました。競馬界は来年も明るい話題が多いといいな」

競馬

×