2月末定年の中村均調教師、3重賞に期待馬3頭!シルクロードSにナインテイルズ、愛知杯にキンショーユキヒメ、根岸Sはヤマニンアンプリメ

スポーツ報知
何度も伏兵を激走させてきた中村調教師。引退を控え、今週末は3重賞で勝負をかける

 12年天皇賞・春のビートブラックなどG1・3勝を挙げ、来月末に定年引退を迎える中村均調教師(70)=栗東=が今週末の3重賞にそれぞれ期待馬を送り込む。第24回シルクロードS・G3(27日、京都)のナインテイルズは、昨秋の京阪杯2着など元気いっぱい。第56回愛知杯・G3(26日、中京)は、キンショーユキヒメが得意舞台で重賞2勝目を目指す。第33回根岸S・G3(27日、東京)のヤマニンアンプリメも、出走がかなえば侮れない存在だ。引退を控えた有終Vは過去に何度も例がある。

 「もう40日もないな」。中村調教師がカレンダーを見ながらつぶやいた。「正月がきた時に、あとちょっとだなと思ったけど」。着実に迫りくる2月末の定年。78年に未勝利馬6頭の6馬房から始まった41年間の調教師生活がピリオドを迎えようとしている。

 重賞に挑むチャンスは少なくなってきたが、今週は3重賞全てにそれぞれ期待馬を送り込む。シルクロードSのナインテイルズは中距離で勝ち星を積み上げたが、5歳春に短距離へ転向。アイビスSD3着、京阪杯2着と7歳の昨夏から軌道に乗ってきた。

 「長い距離から始まり、1600メートルにしたら止まったが、いいところがあった。1400メートルで掲示板に載り、1200メートルになって勝った。以前は短距離馬の体をしていなかったが、今は筋肉がモリモリ。8歳になったけど、今までで一番調子が良さそう」。京阪杯はダノンスマッシュに0秒3差後れを取ったが、ハンデ戦となり、こちらが1キロ重かった重量は0・5キロ軽くなる。【2110】と好相性の舞台にも手応えを隠さない。

 愛知杯で2度目の重賞Vを狙うキンショーユキヒメにはスパイスを加えた。「テンションが高い時に好走しているから、上げるために坂路でやっている。中京の2000メートルは得意だから」。調教パターン変更、2勝を挙げるコースに反撃の糸口を探る。

 根岸Sのヤマニンアンプリメは補欠1番手だが、出走がかなえば不気味だ。「4走前はコパノキッキングと鼻差。エンジンがかかり始めたら、すごいストライドで伸びる。府中の1400メートルは合いそう」とゲートインを狙っている。

 大本命馬はいないが、どれもが色気を抱ける存在。「たまたま1週間に3つ使える。どこかで勝ってくれたらいいが、使えるだけでも満足」。人知を尽くし、無欲で吉報を待つ。(橋本 樹理)

 ◆中村 均(なかむら・ひとし)1948年9月13日、京都府出身。70歳。77年に28歳の若さで調教師免許を取得し、78年に栗東で開業。同年9月10日に阪神で初勝利を挙げ、83年阪神障害S・春(キョウエイウオリア)で重賞初制覇。G1はトウカイローマンで制した84年オークス、96年朝日杯3歳S(マイネルマックス)、12年天皇賞・春(ビートブラック)の3勝。JRA通算719勝。重賞31勝。父は中村覚之助元調教師。厩舎に所属した元騎手の長谷川浩大調教師が3月から厩舎を引き継ぐ。

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