「鉄の女」イクノディクタス 32歳で死す

スポーツ報知

 現役時代に重賞4勝を挙げ、「鉄の女」として多くの競馬ファンに愛されたイクノディクタス(牝)が7日、けい養先となる北海道新冠町・五丸農場で老衰のために死んでいたことが分かった。32歳だった。

 同馬は栗東・福島信晴厩舎から1989年7月23日に小倉でデビュー。重賞初制覇は4歳5月の京阪杯と遅咲きだったが、その後は牡馬相手に中長距離を中心に活躍。重賞4勝を含む9勝を挙げた。6歳時の安田記念、宝塚記念では2着に入るなどG1でも存在感を示し、当時の牝馬による歴代獲得賞金の記録を塗り替えた。また、デビュー以来大きな故障もなく、6歳秋まで51戦を走り続けたことから「鉄の女」とも呼ばれた。

 五丸農場の五丸久美さんは「1月下旬から体調を崩していましたが、前日(6日)も普通に放牧に出ていました。食欲は落ちていたけどニンジンを食べていました。日付が変わる頃まで様子を見ていたのですが、きょうの朝、馬房に行ったら死んでいました。大往生でした」と説明した。現役時代から人気ホースだっただけに、引退後も多くのファンが牧場に駆けつけたという。「繁殖牝馬だった頃は現役時代に『鉄の女』と言われていた感じで威張っていたけど、晩年は落ち着いていました。元気な時期が長かったです。昭和生まれで新しい元号まで生きると思っていたのですが、残念です」と五丸さんは愛馬との別れを残念がっていた。

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