【フェブラリーS 小島茂之調教師語る】菜七子騎手G1初騎乗「自分で馬主さんから信頼を得たこと。次につなげてほしい」

スポーツ報知
18年8月26日の新潟6Rをマルーンエンブレムで勝った藤田菜七子と小島調教師(左)

◆第36回フェブラリーS・G1(17日・ダート1600メートル、東京競馬場)

 2019年のJRAG1開幕戦、フェブラリーS(17日、東京)の出走馬が確定した。過去3年の覇者がそろった好メンバーを相手に、最大の注目を集めるコパノキッキングで、JRA女性騎手として初めてのG1に挑む藤田菜七子騎手(21)はどんな手綱さばきを見せるのか。これまでのJRA50勝のうち最多の4勝をコンビで挙げている小島茂之調教師(50)が、菜七子の“今”を語った。なお、フェブラリーSの枠順はきょう15日に決定する。

 騎乗姿勢がデビュー時と比べると低くなっているし、こぶしの使い方も良くなっている。気になったことは日ごろから言っているし、ある程度乗れるようになった。乗せる以上は自分で気になるところは伝えているし、菜七子もそれをそしゃくして学んでいる。まだ下半身の力というか、今の形に、追える感じが加わってくればいい。本人はまだ自分は下手だなと思っている。

 菜七子で話題を提供できるのは競馬界にとっていいこと。いい話題があるのはものすごくいいことですよ。もう4年目。1年目や2年目ではない。1年目や2年目でG1に乗っていたら批判の声もあっただろう。今、乗るのが早いか遅いかはわからない。でも、馬主さんとの相性もいいし、成績も残しているからなんの問題もない。

 ただ、『大丈夫か』って思いは持っている。勝つかな、っていうより。まだ新人若手騎手。いつもの気持ちで乗れるのかなというのはある。でも、そこで今の菜七子が見えるんじゃないか。

 よく自分は新人に言っています。『デビューしたら、明日から凱旋門賞に乗れるんだよ』って。いつでも声がかかってもいいようにしないと。奇跡的に声がかかった時にどうしよう、どうしようじゃ駄目で、いつでも準備しときなよって。この話は菜七子には言ったことはないけどね。武豊の時以上に今は盛り上がってるよね。自分から馬主さんから信頼を得たこと。いい結果を出して、次につなげてほしいというのが一番です。

◆小島 茂之(こじま・しげゆき)1968年2月15日、東京都生まれ。51歳。03年に美浦で厩舎を開業し、同年5月に初勝利。これまでJRA通算272勝。重賞は08年秋華賞(ブラックエンブレム)、09年エリザベス女王杯(クィーンスプマンテ)のG1・2勝を含む7勝。

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