【春麗ジャンプS】トラストが2月末定年の栗東・中村調教師の“信頼”に応え3連勝

スポーツ報知
3連勝で春麗ジャンプSを制したトラスト(右端、左から中村調教師、2人はさんで、熊沢騎手)

 23日に行われた中山8Rの春麗ジャンプS(4歳上オープン・障害3200メートル、直線ダート)は1番人気のトラスト(牡5歳、栗東・中村均厩舎)が2着に大差をつけて、障害戦無敗の3連勝で制した。2月末で、1978年からの調教師生活に終止符を打つ中村均調教師(70)=栗東=の“有終の美”を飾った。

 中村師は調教師席の最前列で勝利を見届けると、愛馬の元へ足を運び、「こんなに強いとは思わなかった。思ったより強かった。別れるのがつらいくらい」と喜びを口にした。

 ビッグレッドファームの岡田繁幸さんが所有し、川崎の河津裕厩舎からデビュー。16年には地方馬として13年ぶりに札幌2歳S・G3を勝った。JRAに移籍し、平地では勝てなかったが、障害に転向し、これで3連勝。「素質もあったし、飛越もうまい」(中村師)と、その才能を評価する。

 道中はドリームハヤテに次ぐ2番手だったが、「中途半端に後ろにいるより、早めにパスしたいなと思った。それでもまだまだ余裕がある。強いですね」と3度目のコンビとなる熊沢重文騎手も独走劇に確かな手応えをつかんだ。

 今後は3月に開業する栗東・長谷川浩大調教師がトラストを含めた大半の中村厩舎の馬を引き継ぐことになる。今後は障害界の絶対王者、オジュウチョウサン(牡8歳、美浦・和田正一郎厩舎)に挑むことになりそうだ。馬の状態を見て次走などを決める。「(直接対決は)秋になる可能性がありますね。春は避けて」と中村師。愛馬がトレーナー最後の週に「信頼(英語でトラスト)」に応え、40年を超える調教師人生に華を添えた。

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