【報知杯FR】“逆輸入ジョッキー”藤井騎手、ココフィーユで斎藤誠調教師に恩返しを!日本競馬界に自分の名前広げてくれたエスメラルディーナを管理

スポーツ報知
ココフィーユでの重賞挑戦にやる気満々の藤井

◆第53回報知杯FR・G2(3月10日・芝1400メートル、阪神競馬場)

 桜花賞(4月7日、阪神)トライアルの第53回報知杯フィリーズレビュー・G2(10日、阪神、3着まで優先出走権)で、先週にJRAデビューした藤井勘一郎騎手(35)=栗東・フリー=が2週連続で重賞に挑戦する。オーストラリアでデビューし、海外経験豊富な“逆輸入ジョッキー”は、ココフィーユへの騎乗依頼に応えようと燃えている。

 今週も大きなチャンスが巡ってきた。異色のオールドルーキー、藤井がチューリップ賞に続き、報知杯FRにも騎乗する。パートナーは前走で500万特別を勝ち上がったココフィーユだ。

 「(前走で騎乗した)岩田(康)さんと話をして、『先行力もあるし、乗りやすい』と聞きました。色々と研究しないといけない部分はありますが、今は競馬をすごく楽しめている自分がいます」

 先週は阪神でJRAデビュー。子供の頃、父に何度も連れて行ってもらった場所だ。その後、15歳で騎手を志してから、海外を中心に騎手だけではなく、牧場勤務など様々な経験を積むこと約20年。ようやく今年、6度目の挑戦でJRAの騎手試験に合格した。しかし、まだスタートラインに立ったに過ぎないという。

 「レースで特別な感情などは一切なかった。僕がここに来たのは勝つためですから。ただ、ふとした瞬間に父に幼い頃に連れてきてもらった場所で、一つの目標でもあり、夢でもあった舞台に、20数年後にこういう形で戻ってきたのは何か不思議な感じがしましたね」

 “恩返し”をしたい。韓国で活躍していた15年。JRA所属のエスメラルディーナとコンビを組み、韓国G3のトゥクソムカップを勝った。自らの名前を日本の競馬界に広げてくれたパートナーは、自身で製作したオリジナルジャンパーの背中にも描かれているほど思い入れの深い存在でもある。その馬を管理していたのがココフィーユの斎藤誠調教師だった。

 「エスメラルディーナには(自分が)注目される、いいきっかけをもらったと思います。今回は合格おめでとうということで依頼をいただいたと思う。チャンスのある馬。何とか応えたい」

 感謝の気持ちを手綱に乗せ、全力のエスコートで権利奪取を狙う。(山本 武志)

 ◆藤井 勘一郎(ふじい・かんいちろう)1983年12月31日、奈良県御所市生まれ。35歳。01年に豪州で見習い騎手免許を取得。その後、シンガポールや韓国など13か国を渡り歩き、海外で計516勝を挙げる。韓国での日本馬とのコンビではエスメラルディーナだけではなく、クリソライトやモーニンで韓国G1を制した。地方では計67勝。166・7センチ、51・7キロ。家族構成は妻と一男一女。

<ココフィーユ、状態上向き!距離もベスト>

 ○…ココフィーユは前走の500万特別を勝って、さらに上昇ムードだ。「テンションが上がらないように調整してきました。使って上向いていますね」と斎藤誠調教師。先週のチューリップ賞にも登録があったが、こちらに矛先を向けてきた。「1400メートルは適した距離。競馬が上手で前めにつけられるし、乗りやすいと思います」と期待していた。

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