【高松宮記念】6ハロンに特化した逃げ馬モズスーパーフレアで音無調教師JRA通算800勝&G1・10勝達成だ!

スポーツ報知
モズスーパーフレアは天性のスピードで春のスプリント王の座を狙う

◆第49回高松宮記念・G1(3月24日・芝1200メートル、中京競馬場)

 春の短距離王決定戦、第49回高松宮記念(24日、中京)でG1シーズンがいよいよ開幕する。注目の一頭は、オープン、G3を連勝中の4歳牝馬モズスーパーフレア。本来は逃げ馬を好まない音無秀孝調教師(64)=栗東=が、6ハロンに特化してつくり上げた新星だ。同師にとって初めて勝った思い出のG1で、王手をかけているJRA通算800勝とG1・10勝を果たすか。

 新星誕生の予感が漂う。モズスーパーフレアは、圧倒的なスピードを武器に前走のオーシャンSで重賞初制覇。音無調教師は早い段階から、高い素質を感じ取っていた。

 「1歳暮れあたりに初めて見た時から、いい馬だなと思っていた。サラブレッドにとってスタミナや根性というのは調教でつくれるけど、スピードやバネは違う。持って生まれた、遺伝によるものが大きいんです」

 音無厩舎で快速馬といえば、近年でも14年のNHKマイルCなど重賞6勝を挙げたミッキーアイルがいた。しかし、意外な言葉を口にする。

 「管理馬をあまり、逃げ馬にはしたくないんです。後ろのいい目標にされるから。理想は好位差し。ただ、この馬は必ず行った方がいいし、後続に脚を使わせるような逃げに持ち込みたい」

 固定観念にとらわれず個性を伸ばす方針で、JRA重賞71勝。G1も芝の短距離、長距離、ダートなど様々な分野で9勝を挙げた。その最初の一歩が、オレハマッテルゼが勝った06年のこのレースだ。

 「実は、(同馬にとって高松宮記念が)初めての1200メートル。マイル中心に使っていたけど、なかなか勝ち切れず…。それで距離を短くしたけど、いきなり勝つとは思わなかったね。驚きました」

 ミッキーアイルで2着だった16年以来、3年ぶりに思い出の舞台へ戻ってきた。厩舎は先週まで通算799勝を挙げ、G1・10勝にも「あと1」。節目の数字が目前にある。

 「この馬は今後も1200メートル以外に使うことはないと思う。この距離に特化した逃げ馬。どれだけやれるかだね」

 待ちに待っていた大一番。厚い信頼を寄せるスピードで、短距離界を制圧する。(山本 武志)

 ◆音無 秀孝(おとなし・ひでたか)1954年6月10日、宮崎県生まれ。64歳。79~93年までの騎手時代に85年オークス(ノアノハコブネ)など84勝。95年に厩舎を開業すると、同年の北九州記念(イナズマタカオー)で初勝利を挙げた。2009年に最多賞金獲得調教師賞、10年に最多勝利調教師賞を獲得。JRA通算799勝(18日現在)。

<音無師、武豊騎手が「一番持ち味生かしてくれる」>

 ○…今回コンビを組むのは、音無師が「一番持ち味を生かしてくれる」と信頼する武豊。騎乗時は2戦2勝の鞍上は「(6勝中3勝を挙げる)中山の1200メートルが合っているんでしょう。ただ、中京の1200メートルは粘りにくい。オーバーペース気味に行って押し切るという感じで結果が出ているけど」と分析した。今年最初のG1、フェブラリーSをインティで制したレジェンドの手綱さばきにも注目だ。

競馬

×