【凱旋門賞 ヤマタケがパリロンシャン競馬場を歩いた】170億円かけ改修も芝コースはほぼ手つかず…今年は外差しが台頭だ

スポーツ報知
芝の状態を入念に確認したヤマタケ記者

◆凱旋門賞・仏G1(7日・芝2400メートル、パリロンシャン競馬場)

 海外馬券発売対象の凱旋門賞・仏G1(日本時間7日23時5分発走、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)の枠順が4日、決まった。日本から参戦するクリンチャーは1番ゲート(馬番9)から世界最高峰のレースに挑む。昨年の覇者エネイブルは好枠の6番ゲート(馬番10)を引き当てた。また、現地で取材するヤマタケ(山本武志)記者は実際にコースを歩いて芝の感触を確かめた。

 総工費約170億円をかけて、リニューアルされたパリロンシャン競馬場の施設見学会に参加した。ゴールドに彩られたスタンドに目を奪われつつ、最も気になったのは馬場だ。スタンド改修工事が中心だった2年間、芝コースはほぼ手つかずの状態で、春は地元騎手から荒れた馬場に対する不満が続出していたという。

 フォワ賞後に取材した武豊の見解も近いものだった。「フランスの馬場っぽくなくて、硬くて、(芝が)すごくはがれていた。ラルクの時(4日前のトゥーレル賞)は仮柵の外で、その時はよかったけどね。内が悪いみたい」。確かにフォワ賞のヴァルトガイスト、同日に行われたヴェルメイユ賞のカイトサーフは大外からの差し切り勝ちだった。

 実際にコースを歩くと下がボコボコした感じはなく、走りやすそうだと感じた。「フォワ賞後は芝の種をまき、肥料をやり、成長を促しています。今は夜がひんやりするので、カバーをかけています」と広報のエルナ・デピュイさん。ただ、そのフォワ賞から本番まで3週間しかない状況で、今でも馬場の良化に腐心している点から“応急処置”という感じが否めないのも事実だ。

 自分の足では内外に大差を感じなかった。ただ、土曜の夜から下り坂という天気予報もある。当日のG1は仮柵が外された16メートルのグリーンベルトが出現するとはいえ、各馬が内にこだわるレースを続ければ、荒れ方が早くなる可能性も。今年は外差しの馬が台頭するシーンを思い描いてしまう。(山本 武志)

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