•  スポーツ報知のWebサイト限定コラムがスタートしました。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

南野拓実、3年前から変わったことと変わらないもの

2019年1月17日17時9分  スポーツ報知
  • はにかむ笑顔は変わらない。左は24歳を迎えた南野。右は16年1月、21歳の誕生日を祝福されるU―23の南野
  • オマーン戦で壁のようにそびえる相手をドリブルで抜け出す南野拓実

 サッカー日本代表MF南野拓実=ザルツブルク=が16日、アジア杯出場中のアラブ首長国連邦(UAE)で24歳の誕生日を迎えた。報道陣から日の丸をあしらった重さ約2・5キロの立派なバースデーケーキを贈られた南野は、伝統衣装を着た地元の男性からアラビア語バージョンの「ハッピバースデー・トゥー・ユー」の歌声で祝福されると、はにかみながらロウソクの火を消した。

 16年にも同じ中東のカタールで21歳の誕生日を迎えている南野。当時はリオ五輪最終予選兼U-23アジア選手権に出場中で、「TAKUMI MINAMINO」とアラビア語で書かれたチョコケーキに「ケーキなんて久しぶり。皆で勝利を分かち合えたら最高」と声を弾ませていた。3年前にも立ち会っていた私が「(カタールでの誕生日)覚えていますか?」と尋ねると、「はい。やっぱり(誕生日の祝福は)うれしいですね」とかわいい笑顔を見せてくれた。

 日本代表は17日にグループリーグ最終戦のウズベキスタン戦(日本時間・後10時半キックオフ)に挑み、グループ1位突破とアジア杯の頂点を目指す。南野は森保一監督(50)率いる新体制のチームの中、トップ下のポジションで縦横無尽にピッチを駆け回っている。16年の時は右サイドハーフとして矢島慎也=岡山(当時)=と交互に試合に出場し、ときにスーパーサブとしての控えや途中交代もあった。大会を通し無得点だったが、1次リーグ第3戦のサウジアラビア戦ではドリブル突破から3ボランチの1角だった井手口陽介(G大阪=当時)の得点をアシスト。中島翔哉(24)=ポルティモネンセ=、今回も選出されている遠藤航(25)=シントトロイデン=、室屋成(24)=F東京=らと、6大会連続10度目となるリオ五輪出場をつかみとった。

 当時はザルツブルクに移籍して2年目。あの頃に比べると、当たり負けしない身のかわし方が格段に上達しているのが分かる。撮影していても、シュートシーンより競り合う場面が多く、低い位置からボールを奪うと身長と体格差のある選手たちと激しく競り合ってドリブルで攻め込み、倒されてピッチの芝を巻き上げるシーンが何度もあった。相手の執拗(しつよう)なマークも多い中、アシストも含め自身でチャンスメークし、ゴールを意識しながらチームプレーで連係をとる姿がうかがえた。

 一方で、自らゴール前に切り込んで得点につなげる貪欲な姿は今も変わらない。今大会では、初戦のトルクメニスタン戦の後半26分、堂安律(20)=フローニンゲン=にペナルティーエリア内でパスを回し、日本代表の大会最年少ゴールを演出し勝利をもたらした。自身は決定機を生かせず無得点が続いているが「入るまで打ってやろうと思っている」と得点への意欲は薄れていない。

 誕生日に国際大会が2回も重なる選手は少ない。南野には自身のゴールで優勝に貢献し、思い出に残る最高の24歳のスタートを切ってほしい。(写真部コラム・竜田 卓)

コラム
注目トピック