森保ジャパン、西野サッカー「進化させる」五輪と兼任カタールW杯まで任期4年

スポーツ報知
日本代表監督に就任が決まりガッツポーズを見せる森保監督(カメラ・酒井 悠一)

 日本サッカー協会は26日、都内のJFAハウスで理事会を開き、22年カタールW杯を目指す日本代表の新監督に東京五輪代表の森保一監督(49)が兼任で就任することを承認した。任期は4年で年俸は1億5000万円(推定)。

 98年フランス大会以降、W杯後の新チーム発足時に日本人監督が就くのは初めて。都内のホテルで就任会見した森保新監督は、世代交代と、西野ジャパンのサッカー進化、という2大任務を掲げた。93年、選手として「ドーハの悲劇」を味わった地カタールで、日本初の8強入りを目指す。 覚悟が表れた。会見の約1時間、トルシエ氏以来の兼任監督に就任した森保監督は、伸ばした背筋を一度も曲げることなく、質問に答えた。協会から兼任監督就任への意思確認をされた際、「五輪代表の監督だけでも重責なのに、正直自分にできるのか」とひるんだという姿はなく、課題に立ち向かう将の姿に変わっていた。

 「即決でした。兼任は自分1人では不可能ですが、サッカー界の力を貸していただければ必ず成し遂げられる。気持ちとしてはうれしいということはなく、大変なこと。日本協会の覚悟があるからこそ。その覚悟に、期待に応えられるように、自分のすべてを出して職責を全うしたい」

 任期はカタールW杯までの4年。託された任務は2つ。まずは世代交代に挑む。10年南アフリカW杯から3大会で主軸を務めてきたMF長谷部誠(34)=フランクフルト、本田圭佑(32)=パチューカ=が代表からの引退を決断し、同世代はサッカーではピークを過ぎたとされる年齢に入る。各国に限らず、各クラブも苦労する転換期。森保監督は段階的に進める考えだ。4年後から逆算して一新することはなく、「経験あるベテランが、経験の浅い若手に伝えることがある」とつなぎ目“のりしろ”を作りながら変えていく。

 そして、サッカー面では西野ジャパンの進化を掲げる。ロシアW杯では選手の自主性を信頼。世界強豪を前にしても守備的に戦わず、16強に進出した。コーチで帯同した森保監督は「私も継承して、進化させていきたい」と断言。速攻、遅攻。前から奪いに行く。自陣に引く守備の選択。何でもできるチームへの変貌を目指し、「対応力をもっともっと磨いていかないと」と力をこめた。

 8月にはU―21代表監督としてジャカルタ・アジア大会に臨む。9月1日の決勝に残れば、初陣チリ戦まで1週間もない。視察は限られ、選考は同時。チームの問題も別々に向き合う。これが向こう2年続くが、「1人では不可能でも、協会の力を借りられれば可能」と言い切った。苦労も多いカタールへの道。森保監督は先頭に立つ。(内田 知宏)

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