あの時と同じ、森保監督の覚悟の表情…複数クラブに断り、迷いなく五輪監督「全て日本のため」

スポーツ報知
多くの報道陣が集まった会見場で抱負を語る森保新監督(中)(左は関塚技術委員長、右は田嶋会長=カメラ・酒井 悠一)

 日本代表新監督に就任した森保氏。胸に秘めた思いは、穏やかな外見とは裏腹に熱い。兼任する東京五輪世代の代表監督として取材してきた本紙担当記者が見た「森保一という男」とは―。

 森保氏が東京五輪代表監督に就任した直後の昨年11月、視察先の関東大学リーグの試合で初めてあいさつをした。五輪代表担当になったことを告げると「ご結婚されているんですか」と、いきなり逆質問された。頭に?マークを浮かべながら、妻と1歳の娘がいることを話すと「海外に遠征に行くことが増えると思います。奥様にも負担をかけると思いますので、よろしくお伝えください」と想像もしなかった言葉をかけられた。一回り以上も年下の記者の家族にまで配慮できるマネジメント術。まさに“理想の上司”だ。

 見た目通りのいい人だが、“闘将”仕込みの熱いハートを持っている。日本代表時代はDF柱谷哲二と同部屋になることが多かった。「キャラクターは違いますけど、代表として戦う意識を植え付けてもらいました」

 1997年11月1日にソウルで行われたフランスW杯アジア最終予選の韓国戦。96年を最後に代表からは外れていたが「何としても力になりたい」と、自らチケットなどを手配して知人と渡韓した。一サポーターとしてスタンドのコーナー付近から応援。日の丸への思いはそれほどまでに強い。

 昨年7月、5年半務めた広島の監督を退任後はF東京などからオファーが舞い込んだ。だが、東京五輪代表監督の就任要請が届くと、迷いはなかった。「全ては日本代表、日本サッカーのためにと思ってやっていますから」。誰よりも代表に誇りを持つ森保監督のもと、世界と戦うチームを早く見たい。(東京五輪代表担当・井上 信太郎)

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