初代表のシュミットはキャプテン翼・若島津だ…GK&FWの二刀流 

スポーツ報知
ゴールキーパーの練習でボールに飛びつくシュミット・ダニエル(カメラ・竜田 卓)

 サッカー日本代表は合宿2日目となった4日、札幌市内で親善試合のチリ戦(7日、札幌ド)に向けて本格的に練習を開始した。初選出となったGKシュミット・ダニエル(26)=仙台=は、人気漫画「キャプテン翼」の若島津健ばりの足元の技術と、197センチという代表史上最長身が武器。22年カタールW杯へ森保一監督(50)に定位置取りをアピールする。MF中島翔哉(24)=ポルティモネンセ=ら4人も現地入りし、23人全員がそろった。

 「世界基準」の197センチGKが森保ジャパンのレギュラーを射止める。本格的に練習を開始したこの日、初選出のGKシュミットが8対8のボール回しで、どちらのチームにも属しないフリーマンとして華麗な足技を披露。「GKからビルドアップはサンフレッチェのときも(森保監督は)やっていた。代表でもやろうと言うし、すごく感じる」と意識を高めた。

 東北学院中3年までは守備的MF。当時の鍛錬で左右のキックは正確だ。また、その長身を生かし、16年のJ2松本在籍時には「反町監督がFWで使おうと(フィールドプレーヤー用の背番号1の)ユニホームを準備していた」と松本関係者。練習中にもセットプレーや終盤のパワープレーを想定して、FWとして練習。FWシュミットは試合では実現しなかったが、高さと足元の技術の高さから生まれたプランだった。松本で着用することのなかったフィールド用ユニホームは移籍する際にもらったという。

 GKとFWとの「二刀流」は漫画「キャプテン翼」の若島津健ばり。海外を含めても元メキシコ代表のホルヘ・カンポスぐらいだ。仙台ではFWの練習は行っておらず、もちろん日本代表でも行うことはないが、GKからのフィードなどで攻撃の起点となる足元の技術は武器となる。

 16年10月の「日本代表GK候補合宿」に参加。当時指揮していたバヒド・ハリルホジッチ監督は「世界で戦うには190センチないと厳しい。欧州からオファーがある日本人GKを我々が育てられるかどうかだ」と話し、熱視線を送った。ロシアW杯に出場した強豪は軒並み190センチ台。日本は全員が180センチ台だっただけに、197センチの「高さ」は「世界基準」だ。

 ハイボールの強さに加え、左右の足から繰り出す正確なフィード。「今持っている100(%)を出すだけ」。空中と地上の“二刀流”をひっさげて、森保ジャパンの正守護神に名乗りを上げる。(恩田 諭)

 ◆シュミット・ダニエル 1992年2月3日、米国イリノイ州生まれ。26歳。米国人の父と日本人の母の間に生まれ、2歳から仙台へ。東北学院高、中大をへて2014年に仙台加入。その後、熊本、松本への期限付き移籍をへて17年に仙台に復帰した。16年には日本代表候補GK合宿のメンバーに選出された。J1通算29試合、J2通算71試合に出場。J2での防御率0・76はJ2でNO1(5400分以上出場に限る)。愛称はダン。197センチ、88キロ。既婚。

 ◆若島津健とは 人気サッカー漫画「キャプテン翼」に出てくるGK。実家が空手の道場で、サッカーとともに空手を習い、FW日向小次郎とともに明和小で全国準優勝。中学も日向とともに東邦学園に進み、3年時には南葛中とともに全国優勝を成し遂げた。プロ入り後の23歳以下の日本代表ではFWも兼任し、得意の空手を生かしたアクロバチックなシュートを持ち、活躍。得意技に「三角跳び」や「手刀ディフェンス」などがある。

 ◆ロシアW杯の長身GK ロシアW杯で正守護神として活躍したGKとしては199センチのベルギーのクルトワ(Rマドリード)がいる。ほかにもスウェーデンのオルセン(ローマ)が198センチ、ブラジルのアリソン(リバプール)が193センチ、デンマークのシュマイケル(レスター)が190センチ、ドイツのノイアー(バイエルン)が193センチ、ポーランドのシェチェスニー(ユベントス)が195センチと、世界の強豪は190センチ台のGKがズラリ。日本は川島(ストラスブール)が185センチ、東口(G大阪)が184センチ、中村(柏)が185センチだった。※カッコ内は現所属

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