【二宮寿朗の週刊文蹴】いつも手を抜かない本気のウルグアイ

スポーツ報知

◆国際親善試合 日本―パナマ(12日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム) 日本―ウルグアイ(16日・埼玉スタジアム)

 「ウルグアイはいかなる状況でもウルグアイだ」

 4年前、日本代表監督デビュー戦で0―2と完敗したハビエル・アギーレ監督は試合後、南米の強豪の戦いぶりをたたえた。

 時差、長距離移動、モチベーション…。日本で開催する親善試合の場合、相手がどれほど高いテンションになってくれるかで、強化の成果も違ってくる。だが、ありがたいことにウルグアイ代表は、いつもベストメンバーをそろえ、本気で対峙(たいじ)してくれる。アルベルト・ザッケローニ監督時代、13年8月の親善試合でも日本代表は2―4と力の差を見せつけられている。

 いやいや、ウルグアイ代表なら手を抜いても日本代表には勝てるでしょ、と思う人もいるかもしれない。しかし、高いモチベーションだったことは戦った者が一番よく分かる。のちにアギーレ監督から聞いた話がある。

 「(ザッケローニ監督時代の)1年前の試合は、本田が直接FKでゴールを奪っていた。今回、彼らは壁をルール通りの9・15メートルではなく、6・15メートルのところでつくってきたんだ。ゴールを決めづらくしていた」

 細部までこだわって、彼らは勝利を手にした。だからこそ冒頭のコメントが出てきたのだろう。

 今、日本代表は親善試合の相手選びに苦労している。欧州がUEFAネーションズリーグを設立して親善試合を公式戦に切り替える中、他の大陸も代表チームの強化の在り方が問われている。その意味において、いつも本気モードのウルグアイ代表は貴重な存在。友好関係を続け、定期的に対戦できる道を模索したい。

 森保ジャパンは16日にウルグアイ代表と対戦する。今回もルイス・スアレス、エディンソン・カバニら、ベストメンバーをそろえてくれた。ライプチヒで評価を高める20歳のサイドバック、マルセロ・サラッキの初招集も楽しみである。日本代表もベストメンバーで真っ向から挑んでほしい。(スポーツライター)

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