【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】4年後へのドラマは静かに始まっている

スポーツ報知
パナマ戦の日本代表スタメン

◆国際親善試合 日本3―0パナマ(12日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

 今年はW杯イヤー。W杯が終わってからも9月、10月と日本代表戦が立て続けに行われています。11月に予定されている2試合を含めて、森保ジャパンは5試合を年内に消化します。その5試合を経て挑むアジア杯が来年1月。4年後のカタールW杯に向けた強化は、そこでまず一つのサイクルとなります。

 今の日本代表であれば、アジア杯で何らかの成果を挙げて帰ってくるでしょう。その時点で、森保監督の描く代表チームは一つの形を成しているはず。まだ動きだしたばかりという印象の森保ジャパンですが、数か月後には骨格が見えてきて、核となる戦いや選手がある程度決まっているということです。

 ポールポジションにいるのは招集されている選手たちです。森保監督も9月に結果を残した選手は10月も継続して呼びました。いつ戻しても力になってくれる経験のある選手たちのことは森保監督の頭にも常にあるとは思いますが、まずは若い選手たちに日本代表の核となるチャンスを与えているように見えます。大迫選手、柴崎選手、吉田選手というロシアW杯で中核をなしたセンターラインの選手といかに融合を図り、チーム作りをしていくのか。そして、最初のサイクルを先頭を切って走っていくのは誰でしょうか。

 日本代表はクラブと違い、4年という長いスパンでチーム作りを進めていかなくてはなりません。その1年目と4年目では選手たちの状態が随分と変わってしまうことは往々にしてあります。それを加味した上での現在の選考であることは明白ですが、その裏には虎視眈々(たんたん)と4年後を目指しているベテランも、悔しさを押し殺している若手もいて、それぞれのドラマは静かにもうスタートしています。ロシアW杯での日本代表の活躍が、選手一人ひとりの4年後への熱に一層火をつけているように感じます。(東京ユナイテッド、元日本代表DF)

サッカー

×