ハンパない!新世代・南野&伊東が2戦連発!…ロシアW杯招集組も存在感

スポーツ報知
前半42分、2試合連続のゴールを決め、胸に手を当て駆け出す南野(カメラ・酒井 悠一)

◆国際親善試合 日本3―0パナマ(12日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)

 森保ジャパンが初陣から2連勝を飾った。FIFAランキング54位の日本は、同70位のパナマに3―0で快勝。前半42分、MF南野拓実(23)=ザルツブルク=が先制点となる2試合連続ゴールを決め、W杯ロシア大会の主力が復帰した一戦で存在感を示した。後半20分にはMF伊東純也(25)=柏=も2戦連発で続いた。日本は16日に同5位の強豪ウルグアイと対戦する。

 華麗なる一撃だ。前半42分。南野は鋭いターンで相手DFをかわすと、強烈なタックルにもひるまず、左足に全神経を集中。「余裕を持ってコースを狙えた」と相手GKの動きを見極め、ニアサイドに流し込んだ。「連係面もあったけど、一番に考えていたのはゴールやアシストといった目に見える結果を残すこと。それができてよかった」。A代表初得点したコスタリカ戦(9月11日)からの2戦連続ゴールに白い歯をこぼした。

 93年のJリーグ発足以降、新体制後の初陣から2戦連発は97年の岡田体制での呂比須ワグナー、15年ハリルホジッチ体制での岡崎慎司以来3人目。後半21分に退くまでに両チーム最多のシュート3本を放ち、伊東の得点にも絡んだ。FW大迫勇也(28)=ブレーメン=やMF原口元気(27)=ハノーバー=らロシアW杯メンバーが加わった中でも抜群の存在感を示した。

 在籍5季目のザルツブルクでは確固たる地位を築き、今季も8試合2得点と好調。しかし代表キャップ数はわずか4。15年のハリルホジッチ政権で2度招集されたが、ともに途中出場に終わった。それだけに、「これで定着したとは思わない。もっとアグレッシブにいかないといけないし、まだまだアピールしないといけない。目の前の練習と試合に最大限良い準備をするだけ」と慢心はない。

 観客席の最上段からは、友が見守った。8強入りした11年U―17W杯のチームメートで、16年に急性白血病と診断されたDF早川史哉(24)=新潟=だ。9日の代表練習後、約6年ぶりに再会。「会うと、もっと頑張らないといけない気持ちになる」と2人は口をそろえてこの日を迎えた。南野が「史哉にゴールを届けられてよかった」と言えば、早川も「彼らのプレーを見ると、嫉妬よりもうれしさや前を向いて生きようという気持ちになる」と語った。

アジア杯出る 「1つの目標」と位置づける来年1月のアジア杯メンバー入りを大きく引き寄せるインパクトを残した。トップ下には未招集のMF香川真司(29)=ドルトムント=がいるが、「プレースタイルは違う。新しいチームと監督の中で、自分にできることは100%やり切る」。南野が“世代融合”を図る森保ジャパンの旗手になりつつある。(田中 雄己)

 ◆南野 拓実(みなみの・たくみ)1995年1月16日、大阪・泉佐野市生まれ。23歳。ゼッセル熊取FCから07年にC大阪U―15入り。12年、2種登録でトップチームデビュー。プロ契約した13年、J1で29試合5得点を挙げ新人王を獲得。15年1月にオーストリア1部ザルツブルクに完全移籍した。世代別の日本代表でも活躍し16年リオ五輪にも出場。174センチ、68キロ。

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