南野、ウルグアイから2発!新体制最多の3戦4発「イメージ通りに動けた」

スポーツ報知
 前半10分、先制ゴールを決めガッツポーズしながらジャンプする南野(右は遠藤=カメラ・竜田 卓)

◆国際親善試合 日本4―3ウルグアイ(16日・埼玉スタジアム)

 FIFAランキング54位の日本は、同5位のウルグアイに4―3で勝利した。前半10分、MF南野拓実(23)=ザルツブルク=が森保ジャパン初戦のコスタリカ戦から3戦連続弾で先制すると、後半21分にはチーム4点目を奪取。新体制初陣からの3戦連発は1993年のJリーグ発足以降では97年呂比須ワグナー、2015年岡崎慎司に並ぶ最長タイで、4得点は最多。W杯ロシア大会16強の日本は8強の古豪から96年以来22年ぶりに白星を挙げ、森保監督就任後、3連勝とした。

 己を誇示するように、左胸のエンブレムを握りしめた。前半10分。南野はゴールを背に中島のパスを受けた。「翔哉と試合前から話していた形。イメージ通りに動けた」とDFゴディンを巧みな反転でかわし、右足でゴールネットを揺らした。

 新体制発足後の3戦連続得点は呂比須、岡崎に続く3人目の快挙(93年のJリーグ発足以降)。後半21分には堂安のシュートのこぼれ球をボレーで押し込み、初陣から最多の3戦4発を記録した。「自信にはなったが、まだまだこれから」と謙遜したが、森保一監督(50)は「チームの攻撃を引っ張る、自分が得点に絡むという強い気持ちを持ってやってくれた」と2列目で並んだ堂安、中島とともに称賛した。

 高い決定力は、苦手の守備克服から生まれた。幼少期は元ブラジル代表のロナウド、07年にC大阪の下部組織に入ってからはMF香川真司(29)=ドルトムント=の背中を追い、「点を取れる位置にいたい」と守備をさぼることも多かった。「世界に出るためには守備が必要」と説くC大阪ユースの大熊裕司監督(当時)から「出て行け」と何度もどなられ、守備意識を植え付けられた。Jデビュー戦の12年11月17日大宮戦では「相手のキーマンをマークすること」と指示されるまで守備力が向上。相手が嫌がる守備を覚えることで、相手が嫌がる攻撃を身につけた。

 4歳の頃。在籍したゼッセル熊取(大阪)の練習前、98年フランスW杯の分析ビデオが流された。ほとんどの子供が難しい内容に飽きてしまうなか、南野は「お前ら、うるさい」とジダンら世界トップクラスのプレーを食い入るように見つめた。あれから20年。FIFAランク5位の世界トップから2得点を奪ってみせた。

 来年1月のアジア杯メンバー入りに向け、未招集の香川とトップ下を争う構図は続く。「他の選手のことは考えていないし、W杯メンバーをリスペクトしている。クラブに戻ればレギュラー争いがあるし、また地に足をつけてやる」と言いつつ、「とはいえ、彼らを脅かす存在になりたい」と言い切った。謙虚さの中にも、芽生えつつある確かな自信。醸し出す雰囲気は、エースそのものだ。(田中 雄己)

 ◆南野 拓実(みなみの・たくみ)1995年1月16日、大阪・泉佐野市生まれ。23歳。ゼッセル熊取FCから2007年にC大阪U―15入り。12年、2種登録でトップチームデビュー。プロ契約した13年、J1で29試合5得点を挙げ新人王を獲得した。15年1月にオーストリア1部ザルツブルクへ完全移籍。16年リオ五輪出場。日本代表デビューは15年10月13日のイラン戦。今年9月11日のコスタリカ戦でA代表初得点。国際Aマッチ5試合4得点。174センチ、68キロ。

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