森保監督、アジア杯Vへ チーム再編欧州組視察

スポーツ報知
後半28分、チーム4点目を決め、駆け出す中島(カメラ・竜田 卓)

◆国際親善試合 日本4―0キルギス(20日、豊田スタジアム)

 FIFAランク50位の日本は同90位のキルギスと初対戦し4―0で快勝。18年を初陣から4勝1分けの無敗で終えた。来年1月のアジア杯(UAE)前の最終戦で選手層を厚くするため、16日のベネズエラ戦(大銀ド)から先発11人を入れ替え。代表デビューのDF山中亮輔(25)=横浜M=がゴールを奪ったが“全員合格”とはいかなかった。森保一監督(50)はこれまで招集していない海外組を視察予定で、チームを再編成する可能性が出てきた。

 年内最後の試合を勝利で締めくくった。ベネズエラ戦(16日・大銀ドーム)から先発11人を変更して臨んだ一戦。前半2分、初先発に送り込んだDF山中が先制点を奪い、同19分にはMF原口が直接FKから追加点を挙げた。後半にも2点を加点。森保監督は「アジア杯に向けて、今できる最善のことはして来られた」と手応えを口にした。

 来年1月に控えるアジア杯(UAE)の選考がテーマだった。MF南野、堂安、中島の新世代が台頭。主力11人についてはめどが立ったが、課題はそれに続く12番目以降の選手たち。Aマッチ出場数が1桁の選手が先発に9人並んだが、FIFAランク90位で日本(50位)と40差があるキルギス相手にシュート数で15対1と圧倒した。

 「相手に隙を与えていれば、失点したかもしれない。4点取ってもチャンスを作り続けた。最後までやり抜く、最善を尽くす、ベストを尽くしてくれた」。森保監督は選手の姿勢をたたえた。ただ、本来の目的である選考面に話が及ぶと「主力との差については置いておいて」と途端に回りくどくなる。

 個々で明暗を分けたからだ。選手層の薄さが懸念されるポジションは3つ。まずは1トップだ。杉本は無得点で大迫と交代を命じられた。サイドバックでは左の山中が結果を残した一方で、右のDF室屋は単調さが浮き彫りに。ボランチでは初先発のMF守田が3点目の起点となったが、柴崎との差は小さくない。

 それを証明するように後半14分の大迫を手始めに主力組が投入されると、攻撃の質が変わる。同27分には大迫がゴールを挙げ、1分後には中島が軽々とネットを揺らした。前後半の得点数は同じ2点だが、過程が違う。日本は過去アジア杯を4度制覇しているが、すべての大会で退場者を出しながら頂点に立った。ベンチ組の奮起が必要となる厳しい大会に向かうには、十分とは言えないポジションがあった。

 森保監督は今週末、海外組を視察するため渡欧する。これまで招集されていない香川真司(ドルトムント)らも視察するとみられる。5試合で30人を招集し、ザッケローニ監督以来となる就任から5試合不敗となった森保監督。「全員が同じレベルではない、ということはありえる。普通のこと」と受け止めたが、アジア杯優勝を目指すために、チームを再編する可能性もある。(内田 知宏)

 ◆森保ジャパンの海外組候補選手
 肺気胸のDF長友(ガラタサライ)、左ふくらはぎ痛のFW武藤(ニューカッスル)、左太もも裏肉離れのFW浅野(ハノーバー)の3人は復帰のメドが立っており有力候補。他にもGK川島(ストラスブール)、MF乾(ベティス)、香川、宇佐美(デュッセルドルフ)、久保(ニュルンベルク)も構想に入っている。

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