【二宮寿朗の週刊文蹴】先発11人総入れ替えの意図

2018年11月23日10時0分  スポーツ報知

 融合と言うなら部分的な入れ替えでいい。競争と言うなら主力と控えを明確に分けなくていい。キルギス戦を終えてからも、森保一監督が先発11人を“総取っかえ”した意図を今ひとつ理解できないでいた。

 彼は会見で言った。

 「経験の浅い選手、実力的に足りていない部分のある選手も、日本代表の試合を通じて伸びてくれると思う。試合で気づいたことを(自分の)チームに持ち帰ってレベルアップにつなげてもらう。それが日本代表のさらなる戦力アップにつながる」

 キルギスはアジア杯で同組になるウズベキスタン、トルクメニスタンと同じ中央アジア。ウズベキスタンよりレベルは下がるといえども、フィジカルの強さ、激しさは確かに特長が重なった。その最後の“予行演習”でなぜ総入れ替えを断行したのか。なぜ経験値を上げるのがこの試合でなければならなかったのか。

 考えてみてようやく腑(ふ)に落ちた。夏のロシアW杯を思い返してほしい。1次リーグ第3戦のポーランド戦から中3日で臨んだあのベルギー戦。逆転負けを食らったとはいえ、優勝候補をギリギリまで追い詰めた。ポーランド戦で先発6人を入れ替え、原口元気、乾貴士らを休ませることができたことは非常に大きかった。大胆な西野采配を森保監督はコーチの立場で見ていた。

 4年前のアジア杯を思い返してほしい。1次リーグを3連勝しながらも準々決勝でUAEにPK戦の末に敗れた。4試合とも先発メンバーは変わらなかった。

 現代のサッカーは消耗度も激しい。つまり短期決戦となる大会を勝ち抜くには先発11人の力だけでは難しいということ。メンバー全員の総力で臨まなければ、栄光を手にすることはできない。

 本番でも大幅な入れ替えは森保監督の頭にきっとあるはず。アジア杯で優勝するため―。その決意表明だと受け取った。(スポーツライター)

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