本物の覚悟ができあがった…内田キャップがトルクメニスタン戦を「読み解く」

2019年1月10日6時0分  スポーツ報知
  • 前半26分、トルクメニスタン・アマノフ(中央)に先制ゴールを決められ、厳しい表情の森保監督(左)

 ◆アジア杯1次リーグ第1戦 日本3―2トルクメニスタン(9日、UAE・アブダビ、アル・ナヒヤーンスタジアム)

 森保ジャパンがトルクメニスタンに3―2で辛勝。内田知宏キャップが新コラム「読み解く」で分析した。日本は前半26分に先制を許し、5バックで守る相手に得点の糸口すら見つけられないでいたが、FW大迫勇也(28)=ブレーメン=の2得点とMF堂安律(20)=フローニンゲン=の追加点で振り切り、森保体制で初陣から6試合無敗となった。

 初めて見る光景だった。1点を追う前半36分、トルクメニスタンに決定機を作られると、森保監督はピッチを背にしてベンチに戻った。スタッフと対応策を練る。いつも最前線で戦況を見守り、表情を変えずに指示を出す指揮官が慌てているようだった。「初戦の難しさ」。覚悟を決め口を酸っぱくして伝えていたが、やはり苦戦した。

 選手は、ボールに触ることを生きがいとしている。特に攻撃は楽しい。そのボールを相手に渡したら、シュートミスしたら、爆発してしまうかのような感情に襲われる。パスを出す。受ける。すべてが安全地帯。5バックのトルクメニスタンは自分たちの視野の中で守備ができた。反対側のスタンドから「仕掛けろ」という声は聞こえても、ピッチからはなかなか聞こえなかった。

 言い訳はいくらでもある。大黒柱の大迫が右でん部の痛みで出遅れ、遠藤は発熱で出国が遅れた。当地入り後には中島(ポルティモネンセ)と守田(川崎)が負傷離脱。「想定外のことでも想定内として対応していく」と語ってはいても、シーズン中の海外組とオフに入った国内組の状態に違いがあり、練習メニューを組むだけでも苦労した。

 とはいえ、相手はFIFAランク127位のトルクメニスタン。就任後6戦無敗となった森保監督の「ある程度(苦戦は)覚悟していた。勝利をつかみ取ってくれたことを良かったこととして」という言葉よりも、吉田の「この試合にかける決意と覚悟を持っていたのか、と自問自答しなきゃいけない結果になった」の方が、すっと胸に入ってくる。

 前夜に宿舎で選手ミーティングが行われた。大会にかける思い、難しさが経験者から伝えられ「力を合わせて(優勝を)成し遂げよう」と誓った。それでも苦戦を避けられないのがアジア杯であり、初戦の難しさ。31度の気温が体力を、まばらなスタンドが緊張感や集中力を奪う。未知なる相手に惑わされ、環境に狂わされ、安全にと思考がいく。

 「前半から不細工でもいいから、もっとサイドを使って、ロングボールとか割り切ってやることも必要なのかなと思っていた」と槙野。決勝トーナメントにピークを合わせて調整をしてきた森保ジャパンが、薄氷を踏む思いでもぎ取った勝ち点3。試合後の厳しい表情が並ぶ面々を見て、ようやくアジアを勝ち抜くという本物の覚悟ができあがったように思う。(内田 知宏)

SAMURAI BLUE
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