サウジの“ザ・チーター”捕獲せよ!麻也「素晴らしい選手」森保ジャパン21日から決勝T

スポーツ報知
ウォーミングアップでダッシュを繰り返す(手前から)柴崎、吉田、佐々木らイレブン(カメラ・竜田 卓)

◆アジア杯決勝トーナメント1回戦 日本―サウジアラビア(21日、シャルジャスタジアム)

 日本代表は19日、決勝トーナメント(T)1回戦・サウジアラビア戦が行われるシャルジャで調整を行った。主将のDF吉田麻也(30)=サウサンプトン=ら守備陣は、1次リーグで2得点を挙げ、前回対戦時にゴールを許した“ザ・チーター”の異名を持つ快足FWアルムワッラド(24)=アル・イテハド=を警戒。アジア杯3度の優勝を誇り、ロシアW杯でも1勝を挙げた中東の難敵を無失点で抑えるつもりだ。

 負ければ終わりの戦いがいよいよ始まる。「ここからが本当のアジア杯」と力を込めた吉田は、難敵のサウジアラビアをこう分析した。「前線にスピードのある素晴らしい選手がいる。スピード勝負を仕掛けてくるので、しっかり対応しないといけない」。選手名こそ出さなかったが、その「素晴らしい選手」が、前回対戦時の2017年のロシアW杯最終予選で吉田の目の前で決勝点を挙げ、今大会でも2得点を決めている“ザ・チーター”であることは明白だ。

 身長は日本の登録メンバー23人の誰よりも小さい168センチ。だが恐るべきはその驚異的なスピードだ。今大会では初戦の北朝鮮戦、第2戦のレバノン戦で得点し、所属クラブでの試合を含めた直近の公式戦10試合で7発の大暴れ。地上最速の動物になぞらえた異名を持つ背番号19の実力は本物だ。

 吉田、長友らも出場した前回対戦時も自慢のスピードで脅威となり、吉田のスライディングが一歩及ばず、母国を3大会ぶりのW杯出場に導く決勝点を許した。欧州移籍やロシアW杯全3試合の出場などで得た経験を血肉とし、当時よりも研ぎ澄まされたゴールへの嗅覚を武器に再び日本の前に立ちふさがる。

 日本は1次リーグ初戦のトルクメニスタン戦で鋭いカウンターから先制点を献上。第3戦のウズベキスタン戦でもセンターバックの2人がドリブルでかわされ、同様に先制点を与えた。ドリブルへの対応に苦手意識があることは既に分析されているだろう。1トップの位置で舌なめずりする“ザ・チーター”を生かす攻撃を展開してくるはずだ。

 先発が予想されるDF冨安は「隙を見せたらやられてしまう相手」、GK権田も「1次リーグ3試合とは違ってくる」と言い聞かせた。一つのミスが命取りとなる一発勝負。最前線で息を潜める快足FW封じが勝利への大きな鍵となる。(岡島 智哉)

 ◆ファハド・アルムワッラド 1994年9月14日、サウジアラビア・ジッダ生まれ。24歳。同国リーグのアル・イテハドで16歳でプロデビュー。18年1月にはスペイン1部・レバンテに期限付き移籍し、2試合出場無得点。12年に18歳で同国代表に選出され、18年のロシアW杯にも出場し3試合無得点。W杯後にアル・イテハドに復帰。ポジションはFW。身長168センチ。

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