【神戸】三浦淳寛SD、バルサ流改革「スタイルを確立したい」

スポーツ報知
バルサ流を目指すことを宣言した神戸・三浦SD

 今季から就任した神戸の三浦淳寛スポーツダイレクター(SD=43)が、沖縄キャンプ中にスポーツ報知のインタビューに応じた。チームは今季から世界一のパスサッカーを誇るスペイン1部・バルセロナのスタイルを取り入れる方針を決定。「アジアのバルセロナ」への青写真を、キーマンとなる三浦SDに聞いた。(取材・金川 誉)

 ―今季就任し、さっそくバルセロナのサッカー【注1】を目指すという改革をスタートした。

 「まずはスタイルを確立したい。神戸といえばこれまで堅守速攻という印象。でも、本気でアジアの頂点を目指す中で、今までのスタイルでは限界がある。何かできることを考えた時に、パートナーシップを結んでいる楽天とバルサの提携があった。いい条件があるのに、これを生かさない手はない【注2】」

 ―バルサ流を取り入れるのは簡単ではないが?

 「もちろんそう。しかし僕もそうですけど、監督の吉田、コーチのゲルト(エンゲルス)、我々3人は(横浜)フリューゲルスでクライフ【注3】の右腕だったカルロス・レシャック監督から指導を受けました。バルサ流を体験し、実感したんです。その経験を生かしていけたら、不可能ではないと思います」

 ―当時はどんな指導を受けた?

 「一番印象に残っているのは『君が一生懸命走るのとパスを通すのは、どっちが速いですか』と言われたこと。パスを走らせて、ボールに汗をかかせろと」

 ―バルサのサッカーは不可能という意見も多いと思うが?

 「当然、そんなの無理だよと言うと思います。ただ、僕はそうは思わない。もちろん試合を支配するためのボールの動かし方は、個のレベルが上がらないとできない。でもそれって、絶対によくなるんです。僕はフリューゲルスで体験しています」

 ―でも急にバルサにはなれない。

 「もちろんバルサのサッカーを目指すのは、うそではないんですけど、今までの堅守速攻も試合の流れの中で必要な時も出てくる。ただ、今までより、自分たちでボールを保持する方向に進みましょうと」

 ―プロは結果がすべて。スタイル確立までブレずに貫けるか?

 「プロなんで、スタイルを変えながらも勝たなきゃいけない。でも僕がいる間は、間違いなく同じ方向で進みます」

 【注1】ボール保持率を高め、パスの連続で相手ゴール前に迫るスタイル。バルセロナは下部組織から一貫して同じスタイルを貫く

 【注2】スタッフで元日本代表の林健太郎氏と平野孝氏を2月から研修に派遣。

 【注3】ヨハン・クライフ(故人)。バルセロナで選手、監督を務めた元オランダ代表MF。バルセロナの攻撃的スタイルをつくり上げた伝説的名手のひとり。

 ◆三浦 淳寛(みうら・あつひろ)1974年7月24日、大分県生まれ。43歳。国見高、青学大を経て94年に横浜フリューゲルス入団。98年限りでチームが横浜Mと合併し、そのまま加入。2001年に東京Vへ移籍。05年に神戸に移籍し、07年途中まで所属。その後、横浜Cに加入し、10年限りで引退。無回転FKの名手として鳴らし、J1通算318試合45得点。日本代表としても25試合1得点。

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