【仙台】板倉、22年カタールW杯へ「東京五輪前にA代表に」

スポーツ報知
4年後のW杯出場を目指す板倉

 J1ベガルタ仙台のDF板倉滉(21)が、27日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、夢舞台への思いを明かした。今季川崎から期限付き移籍で加入し、開幕戦に先発出場。センターバック(CB)やボランチで高いセンスを示し、負傷も乗り越えながら、リーグ戦10試合出場と奮闘している。開催中のロシアW杯から刺激を受け、「絶対、カタールは行きたい」と4年後のカタールW杯出場の目標を再認識。個人としての強さを追い求めていく覚悟を示した。(取材・構成 小林 泰斗)

 初の開幕スタメンをつかんだ板倉は、新天地で鮮烈なデビューを飾った。2月25日のJ1開幕・柏戦。対人の強さと足もとのうまさを兼ね備える身長186センチのDFは、後半8分にヘッドでリーグ戦初ゴール。値千金の決勝点となった。

 「開幕戦がやはり一番印象に残っています。仙台に来て一番最初の試合というのもありますけど、あのユアスタの雰囲気を肌で感じて『すごくいいな』と思いました。常にアピールしていかないと、いつ出られなくなるか分からない。危機感は常に持ちながらやってました。ミスもありましたが、勝利で終えることができたのはよかった」

 仙台加入後、リーグ戦10試合に出場し、守備の中軸を担っているが、シーズン序盤につまずいた。3月14日のルヴァン杯・横浜M戦で激しいスライディングを仕掛けて一発退場に。その際に右足首の靱帯(じんたい)を負傷した。全治7週間と診断されたが、驚異的な回復力を見せ、約5週間で復帰。すると、再び先発に返り咲き、中断前の第15節・鹿島戦で難敵を抑え、決勝ゴールも挙げた。

 「あの(負傷した)プレーは反省している。後半戦はけが無くやりたい。鹿島戦は、相手がみんなうまかった。周りの助けがあってボールを奪えるシーンは結構ありましたが、一人でしっかり奪い切る力があれば、他の選手が次の攻撃にスムーズに動けるなというのも感じました。個の力をもっともっと上げていかないといけないですね」

 「仙台経由、カタール行き」の夢をかなえる。2年後の東京五輪を目指すU―21日本代表でも、CBやボランチで主力の一員だ。4年後のW杯日本代表入りも虎視たんたんと狙う。

 「絶対にカタール(W杯)は行きたいという気持ちはあります。もちろん、東京五輪を目指していますが、五輪の前にA代表になれたらと思っている。仙台で試合にずっと絡んで、結果を安定して出せるようになりたいです」

 板倉が追い求めるのは攻守で強い個の力。ロシアW杯で特に注目するのは王国・ブラジルだ。

 「後ろの選手が個人個人で戦っている局面でなかなか抜かれない。勝っているイメージがあり、すごい参考にしている。自分のところで全てつぶせるくらいになりたいのが理想。ボランチも守備で貢献できて、攻撃にもどんどん参加していけるところが魅力的です。自分もそういう選手になりたい」

 リーグ戦中断期間、チームはフィジカル強化を徹底している。板倉も歯を食いしばって走り込んでいる。

 「一番足りないなと思うのは走力。ポジションの修正や(ピッチを)上がるところ、戻るところでもっと走らなきゃいけないとすごい感じている。体重の増量も意識している。体をぶつけ合わないといけないシーンは必ずあるので、そこで勝てる体にしていきたい」

 仙台は現在リーグ7位。今季輝きを放つ21歳のホープは、仙台の地で才能を磨きながら、さらに高みを見ている。

 「どんどん上にいけると思っている。もちろんトップ5、優勝を目指してやりたい。後半戦に向け、一試合一試合を大事にしていきたい。サポーターも含めてみんなで盛り上げてもらってしっかり勝ちを積み上げていけたらなと思います」

 ◆板倉 滉(いたくら・こう)1997年1月27日、横浜市生まれ。21歳。小学4年生から川崎の下部組織に入団し、ジュニアユース、ユースでプレー。2015年にトップチームに昇格。15年から各世代別の代表に選出。今季、川崎から仙台に期限付き移籍で加入。主にセンターバックとボランチを務める。背番号6。186センチ、74キロ。J1リーグ通算17試合出場2得点。右利き。

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