【二宮寿朗の週刊文蹴】今こそJオールスター戦復活の議論を

スポーツ報知

 “お祭り”は派手なほうが盛り上がる。

 MLBのオールスター戦(日本時間18日)。両軍で何と10本ものアーチが飛び出したとか。プロ野球の球宴に目を向けると復活した中日の松坂大輔が打ち込まれてしまったのは残念だったが、力勝負のこだわりは見る者を熱くさせたのではないだろうか。

 Jリーグからオールスター戦が消えて久しい。93年から07年まで15年にわたり、主に東西対抗戦の形式で開催され、その後2年間はJリーグ選抜と韓国Kリーグ選抜との対戦に変わった。以降、新たな冠スポンサーが見つからず、過密日程の問題もあって自然消滅してしまっている。

 もともと、Jリーグの認知拡大が目的ではあった。現在は「超過密日程時代」にあり、開催はもっと難しい状況なのかもしれない。しかし、今こそオールスター戦を復活させるタイミングではないかと筆者は感じている。

 ロシアW杯の日本―ベルギー戦は日本時間深夜3時からのキックオフにもかかわらず、テレビの平均視聴率は30%を超えたという。国内にあるサッカー熱が高い証拠だ。

 アンドレス・イニエスタという世界のスタープレーヤーが神戸にやってきて、続いてフェルナンド・トーレスも鳥栖に移籍を果たした。Jリーグに注目が集まる今だからこそ、ライト層を引き込むチャンスだと考えたい。イニエスタもトーレスも、中村憲剛も昌子源も久保建英も…人気選手が一堂に会してプレーする機会があっていい。

 東西対抗戦形式もいいが、01年まであった「ドリームマッチ」のように日本選手選抜VS外国籍選手選抜の形でも面白いのかもしれない。そして、チャリティーマッチとして開催できれば、社会貢献にもつながる。夏にこだわらなくても、ましてや毎年開催でなくてもいい。議論してみる価値はあると思うのだが、いかがだろうか。(スポーツライター)

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