【神戸】イニエスタがJデビュー「物語の第一歩」2万6146人沸かせた

2018年7月23日6時0分  スポーツ報知
  • J1デビューとなった湘南戦の後半、ボレーシュートを放つ神戸・イニエスタ(カメラ・小梶 亮一)
  • イニエスタ投入後の神戸布陣

 ◆明治安田生命J1リーグ第17節 神戸0―3湘南(22日・ノエスタ)

 スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が、Jリーグデビューを果たした。2点を追う湘南戦(ノエスタ)の後半14分から途中出場し、スルーパスなど随所で光るプレーを見せたが、チームは歯車がかみ合わず0―3と敗戦。神戸の連勝は3でストップと、年俸32・5億円といわれる世界的名手にとって、ほろ苦いデビュー戦となった。

 違いはみせた。だが思い描いたような、美しいデビューとはいかなかった。0―2の後半14分。イニエスタはFW渡辺と交代しピッチに入ると、トップ下のポジションへ。中盤でパスを呼び込んで攻撃を組み立て、同35分にはMF田中につながれば決定的となるポイントへスルーパス。しかしわずかに合わなかった。同44分にはCKから左足のダイレクトボレーで初シュートを放ったが、枠を捉えることはできず。チームが大敗に終わると悔しげに首を振り、控えめにサポーターの声援に応えた。

 「個人としてはデビューできたこと、観客に温かく迎えられたことは喜ばしい。チームが負けてしまったことは残念。ただ、これがこれから始まる素晴らしい物語の第一歩だと確信しています」。試合後、会見に出席すると、淡々と質問に答えた。20日のチーム合流から、練習は2日間のみ。「ベストのコンディションではなかった」中で、試合の流れを変えようとした。しかし「チームが負けている時に入るのは難しい」と語ったように、焦りが見え始めたチームの中で、ゴールまでの道筋を作り出すことはできなかった。

 それでも決定機の一歩手前まで作り出すプレーを、何度もみせた技術の高さはさすが。わずかにスルーパスに届かなかった田中は「世界のパスについていけなかった。もっと研ぎ澄まさないと」と悔しがった。今後、イニエスタとチームメートがお互いを理解していく中で、“世界基準”のパスに反応できる選手が出てくる可能性はある。

 約30分間のデビュー戦は、ほろ苦いものに終わった。Jのレベルについて「フィジカルが高く、アジリティー(敏しょう性)が高い」と分析。次節28日・柏戦(ノエスタ)に向けて「今日よりもいいプレーができると確信している」と適応に自身をみせたイニエスタ。世界中のサッカーファンを魅了してきた“魔法使い”が本領を発揮するのは、まだまだこれからだろう。(金川 誉)

 ◆アンドレス・イニエスタ
 ▼生まれとサイズ 1984年5月11日、スペイン・アルバセテ。34歳。170センチ、65キロ。
 ▼競技歴 8歳から地元アルバセテ(現在2部)の下部組織に入団。12歳の時にRマドリードの下部組織に入る予定だったが、両親の勧めもありバルセロナに入団。
 ▼バルセロナでの活躍 02年にデビューし、17―18シーズンまでバルサひと筋。スペイン1部リーグで9度、チャンピオンズリーグで4度タイトルを獲得。
 ▼スペイン代表 06年に代表入り。08年ユーロ、10年南アフリカW杯、12年ユーロと国際大会を3大会連続で制覇。18年ロシアW杯はベスト16でチームが敗退し、代表引退を表明。
 ▼ワイン好き 故郷でブドウ農園、ワイナリー、レストランを経営。日本国内でも購入が可能。
 ▼愛称 地元紙などでは「エル・イルシオニスタ」(手品師)や「エル・セレブロ」(頭脳)などがある。
 ▼家族 妻と子供3人。

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