【鳥栖】トーレス降臨、Jデビュー サポ魅了し救世主の片りんみせた

スポーツ報知
得点を決められず、悔しそうな表情を見せるフェルナンド・トーレス

◆明治安田生命J1リーグ第17節 鳥栖0―1仙台(22日・ベストアメニティ)

 鳥栖に今夏から加入した元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(34)が仙台戦の後半5分から出場し、Jデビューを飾った。来日初ゴールはならなかったが、世界最高峰のストライカーは華麗なプレーを見せた。試合は0―1で鳥栖が敗れた。

 大歓声に包まれて背番号9がJの舞台に降り立った。後半5分から登場したトーレスは序盤はやや硬さが見られたものの、同19分に右CKを頭で初シュート。同26分にもドリブルで斬り込み右足で強烈なシュートを放った。「チャンスは作り出したけど決めきれなかった」と2本の空砲を悔やんだが、ボールを触るたびにスタンドを埋め尽くした1万7537人のファンからどよめきが起きるなど、降格圏に沈むチームに新風を呼び込んだ。

 後半31分にはペナルティーエリア外からDF吉田に絶妙な浮き球を配球し、決定機を演出。合流してまだ1週間とは思えないハイレベルな連係を披露した。実績がありながら謙虚で真面目な性格ということもあり、チームメートとのコミュニケーションも欠かさない。フィッカデンティ監督(50)も適応力の高さを評価しており「なじんでいるし、良い影響になっている」と“トーレス効果”を実感している様子だ。

 神戸のイニエスタ同様に、ピッチ外でもフィーバーが起きた。スタジアムの外に特別に設置された専用のグッズ売り場には、試合の3時間半前で最大500人ほどが列を作った。購入するまでに1時間近くかかったというが「来てくれてありがトーレス!」と書かれたタオルや、Tシャツなどが瞬く間に売れていった。

 チームの救世主となるべく、日本デビューの余韻に浸ることなく前を見つめている。「来週ゴールを決められるように1週間トレーニングを積みたい。ここから2~3試合やっていけばチームに貢献できると思う」。目指すは次節28日のホーム磐田戦での来日初ゴールだ。エル・ニーニョ(神の子)と評される天才はどんな活躍を見せるのか。新たな伝説の幕が上がった。(筒井 琴美)

 ◆フェルナンド・トーレス

 ▼生まれとサイズ 1984年3月20日、スペイン・フエンラブラダ生まれ。34歳。186センチ、78キロ。利き足は右。

 ▼経歴 5歳でGKとしてサッカーを始める。11歳でAマドリード(スペイン)の下部組織に入り、16歳でトップチーム昇格。各世代別のスペイン代表に選出され、フル代表としても2010年南アフリカW杯で優勝。代表通算110試合で38ゴール。

 ▼家族思い 幼なじみで10代の頃から交際していたオラーラ夫人と、純愛を実らせ09年に結婚。左腕には妻の名前、右足にはファーストキスの記念日のタトゥーが刻まれている。1男2女のパパ。

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