【神戸】イニエスタ、家族迎えに一時帰国…アウェー2連戦欠場か

スポーツ報知
前半5分、ボールを大きく蹴り出す神戸・イニエスタ(左)(カメラ・朝田 秀司)

◆明治安田生命J1リーグ第18節 神戸1―0柏(28日・ノエビアスタジアム神戸)

 神戸に新加入したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が移籍後初めて先発出場し、82分間プレーした。チームのリーグ戦再開後初勝利に貢献したが、試合後に家族と再来日するためにスペインに一時帰国することが発表された。日本に帰ってくるのは8月初めとされ、1日のC大阪戦、5日のF東京戦のアウェー2連戦の出場が危うくなった。横浜M―清水、湘南―川崎、名古屋―札幌は台風の影響で中止。

 試合の約2時間後、衝撃の事実が明らかになった。来日してわずか10日で先発出場し、82分間を駆け抜けたイニエスタがスペインに一時帰国することが発表された。理由はアンナ夫人(31)、長女ヴァレンリアちゃん(7)、長男パオロ君(3)、次女シエナちゃん(1)を伴って再来日するためで、試合後に空港に向かったという。8月初めに日本に帰ってくるというが、既にチケットが完売している1日のC大阪戦と、5日のF東京戦のアウェー2連戦の出場が極めて難しい状況になった。

 プレーでは美技の数々で2万2879人の観衆を沸かせた。前半6分には、DF渡部からの浮いたパスを右足のかかとでトラップし冷静に足元へ。涼しい顔でやってのける姿に大きな拍手と歓声が起こった。同15分にはPA付近から、こぼれ球を右足で力強くシュート。惜しくも枠外だったが、貪欲に得点を狙いにいく姿勢も見せた。

 後半21分にFW増山が点を決めた際には、チームメートに交じってメイン席に向かって横一列に整列。照れ笑いを浮かべながら「ゆりかごダンス」を披露し、24日に第1子が誕生し先制点の起点にもなった渡部を祝福した。華麗なパスとドリブルで自らもチャンスを演出し「チームとの感触もポジティブで良い。これからもチームや選手一人一人に適応してどんどん良くなっていくと思う」と手応えを口にした。

 吉田孝行監督(41)は「やはり世界一流だな」と感嘆したが、イニエスタは「初めての勝利を体験できて特別な日になった。勝ち点3をすごく喜んでいる」と自身の出来は二の次。無敵艦隊と呼ばれたスペイン代表とバルセロナで多くの勝利を経験してきたが、新天地で新たな仲間と挙げた白星は格別だった。試合後の会見で出た3つの質問に対し、全て勝ちを喜ぶ言葉で締めくくった。いったん神戸を離れるが、チームを常勝軍団に生まれ変わらせるため、最愛の家族と日本に戻ってくる。(筒井 琴美)

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