【宏太’sチェック】パス選ばず自ら決めたチャナに飛躍の予感

スポーツ報知

 2点取られても3点を取ればいいという、今年の基本概念を発揮して、素晴らしい勝ち方をしてくれた。先制した後に攻めるのか守るのか中途半端になって、2度追い付かれたのは反省点だが、内容的にも満足できるものだった。

 なかでも決勝点の都倉は称賛していい働きだった。控えでもしっかり準備し、最後までゴールに向かう姿勢を示してくれた。プロ生活が長いFWというのは、狙ってないふりをして逆を狙ったりしがちになる。ただ都倉は長崎戦のゴールもそうだったが、常にゴールに体を向けて打ち、相手の脅威になっている。決して器用なタイプではないが、そのスタイルをぶれずに貫くFWがいるのは、チームにとって本当に大きい。

 チャナティップが決めた2点目も、更なる飛躍を予感させるものだった。以前も指摘したが、彼は敵陣深くに進入しても、パスを選択することが多かった。それが長崎戦では自分で左から中へ切れ込み、しっかり得点を決めた。シュートにいくんだというスイッチが入った時は、あれくらいできる技術がある。攻撃的位置の選手は、チャンスの時は全部勝負したっていいんだから。ゴールへの意識をもっと試合で出していくきっかけに、この得点がなると思っている。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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