【札幌】駒井善成、変幻自在で清水を翻弄する「下位に取りこぼさないこと」

スポーツ報知
トラップするMF駒井

 J1北海道コンサドーレ札幌MF駒井善成(26)が、変幻自在の二刀流で2連勝をつかみ取る。札幌は22日、アウェー・清水戦(25日)に向け、宮の沢で練習した。フルメニューを消化した駒井は、前節19日のF東京戦で右サイドハーフからボランチに入った後半、中盤を構成し、3―2の逆転勝利へと導いた。開幕から起用される右サイドではスピードを生かし、ボランチでは戦況を見極め、ボールを落ち着かせる。『二つの顔』を駆使し、上位に食らいついていく。

 2点差をひっくり返した勢いを、2つの顔を持つ駒井が継続させる。逆転勝ちしたF東京戦からの2連勝へ、駒井が強い思いを口にした。「大事なのは次。上にいくためには、自分たちより下位に取りこぼさないこと。しっかり勝ちたい」。ホームでは1―3で敗れた11位・清水に雪辱し、6位からの浮上を図る。

 前節のF東京戦では前半右サイドでプレーし、後半はボランチに回った。「自分が真ん中に入るのは劣勢の時。チームのエンジンをうまく回すことを考えた」。戦況を見て、前に行く時は出て、落ち着かせる場面では攻撃を作り直した。「一つのポジション取り、パスの出し入れ、顔の出し方で状況は変わる」。イメージを体現し、4戦ぶり勝利へと導いた。

 22日のゲーム形式の練習では、ボランチに入った。清水戦でどの位置に入るかは未定だが「どっちも面白さはあるし、任された場所で全力を尽くすだけ」と心構えはできている。2011年、J2京都でのプロ1年目はサイドで起用され続けた。「経験を積むにつれ、見る景色が変わっても対応できるようになった」とボランチでの出場機会も増えていった。「特徴的にはサイドの選手かもしれないが、真ん中でもドリブルでプレッシャーを切り抜けたり良さは出せる」。持ち味の速さをどの位置でも最大限生せる術は、持ち合わせている。

 16年から1年半、浦和でミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)の指導を受けた。たたき込まれたイズム注入も期待された男は、開幕から21試合に出場し、勝ち点上積みに貢献してきた。ピッチ内の“伝道者”は様々な場所で躍動し、清水の脅威となる。(砂田 秀人)

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