元日本代表MF酒井氏、浦和ジュニアのコーチとして自身の経験を伝える日々

スポーツ報知
酒井友之氏

 アジア大会が開催されているインドネシアのリーグで3年間プレーした経験を持つ元日本代表MFの酒井友之氏(39)は現在、浦和のジュニアチームでコーチを務めている。現役引退した2013年8月から昨季までは浦和の地域貢献と普及活動組織「ハートフルクラブ」で、埼玉だけでなくアジアで巡回コーチを行ってきた。今季から小学生チームのコーチとして奮闘しており、「今はサッカーを教えることがメインです。以前は心を育てる方が中心でした。もちろん、勉強をちゃんとしなさいとか、整理整頓しなさいとも言いますが、サッカーを教えるおもしろさがあります」と充実しているという。

 予測と的確な状況判断から絶妙なタイミングでボールを奪い、攻撃の起点になる。現役時代、主にボランチで活躍した。「自分の経験も(選手に)言いますね。プレーに関してなら、判断、ポジションなどで、こういう選択肢もあるよとかですね」。小学生にも頭を使ってプレーする大事さを説いている。

 練習への取り組みは、お手本でもある。酒井氏は市原(現千葉)のU―15、同U―18からトップチームに昇格した。「中学1年生の時に、ジェフのジュニアユースに入ったんです。小学校の時は自分が一番うまかったですが、ジュニアユースにはもっとうまい選手がたくさんいて、中学1年の時はレギュラーではなく、BかCチームだったんです。でも、中学2年の時にレギュラーをつかみだし、中学3年の時はU―15の日本代表にも呼んでもらいました。2年で変わることができるんですよね。毎日が大事。サッカーノートをつけるとかも大事。僕は東京から千葉まで通っていたので、居残り練習が出来なかったんです。だから練習前に必ず、誰か選手を捕まえて基本技術の練習をしていました。時間を大事にして欲しいと話しています」。毎日の努力が可能性を膨らますと伝えている。

 2010年から3シーズンプレーしたインドネシアでの経験も話しているという。給与未払いも経験し、チームスタッフも少なく、整備された練習グラウンドばかりでなかった。「今のこの環境が当たり前と思うのは間違いだよと。いかに日本は恵まれているか。日本の子供は皆スパイクがキレイ。インドネシアではトップの選手のなかにも壊れたスパイクを履いている選手もいました。子供たちには感謝の気持ちを忘れないで欲しいですね」。生活習慣なども日本と異なる東南アジアでの経験は指導者になった今も生きている。

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