【札幌】都倉が“サッポロ一番”70発を清水戦で決める

スポーツ報知
スライディングでボールを奪いに行くFW都倉(右)。左はDF菊地

 歓喜の瞬間に立ち会えなかったピッチで、J1北海道コンサドーレ札幌FW都倉賢(32)が歴史に名を刻む―。札幌は25日、アウェー・清水戦に臨む。2014年の札幌加入から都倉が挙げた得点は69と、1997~98年に所属したFWバルデスのクラブ記録70得点まであと1に迫っている。清水戦の舞台となる日本平は、チームが昨年11月18日、16年ぶりJ1残留を決めた会場だったが、都倉はその試合でベンチ入りできなかった。J1で自身初の2桁となる10点目を決めてクラブ史上トップに並び、昨季味わった無念の思いを晴らす。

 最高のシチュエーションが整った。今季、都倉がリーグ戦で挙げたゴールは9(24日現在)。清水戦で、J1で初の2桁得点を決めると、札幌での通算得点は70に到達し、バルデスが持つクラブ記録に並ぶ。「続けてきた結果が、この数字になったので。今回もチームの勝利に貢献できるようにやるだけ」。トップの座をしっかり見据え、24日に札幌をたった。

 壁は打ち破る。J1での最多得点は昨季の9。目標にはあと一つ、届かなかった。J2優勝した2016年も、目指した数字に1点足りない19ゴールに終わった。「目標に近づくと満足しちゃう“癖”がある」。そう漏らしていた後悔を繰り返さぬよう、リーチをかけた現況にも貪欲な姿勢は失わない。「勢いを持って入っていきたい」と、試合開始から持ち味の推進力を出していく。

 昨年11月、日本平で札幌は2―0で清水に勝利し、16年ぶりのJ1残留を決めた。しかし、都倉は途中交代となった試合で不満をあらわにした態度を問題視され、メンバーから外された。映像で見た仲間の姿に、「一緒に喜べなかったのは残念」と悔しさを味わったと同時に「選手はピッチでプレーできて初めて価値が生まれると分かった。自分を見つめ直すいい時間になった」と試合に対する思いをより強くし、成長の糧としてきた。「雰囲気の好きなスタジアム。勝って札幌に帰りたい」。一昨年は得点を決め、2―0の勝利に貢献した場で、イレブンと歓喜を味わう。

 前節(19日)のF東京戦で右足首を痛めたが、24日は宮の沢でフルメニューを消化。「もう大丈夫」と患部の状態に不安はない。意欲をかき立てる要素がそろう戦いで主役を張り、2連勝の原動力となる。(砂田 秀人)

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