【なでしこ】韓国撃破で2大会ぶりV王手…菅沢優衣香が先制弾&オウンゴール誘った

スポーツ報知
高倉監督

◆ジャカルタ・アジア大会第11日 ▽サッカー女子準決勝 日本2―1韓国(28日)

 FIFAランク6位のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は準決勝で同15位の韓国を2―1で下し、4大会連続の決勝進出を決めた。前半5分にFW菅沢優衣香(27)=浦和=が先制ゴール。後半23分に同点とされたが、相手の猛攻をしのぎ、終了間際の同41分に相手のオウンゴールで勝ち越した。2大会ぶり金メダルをかけ、31日に中国と決勝を戦う。

 なでしこジャパンが2大会ぶりの金メダルに王手をかけた。立役者はFW菅沢だ。前半5分、MF有吉のロングパスに反応。相手DF3人の裏に抜け出し、冷静に右足を振り抜いた。後半23分に追い付かれたが、同41分にクロスを頭で折り返すと、相手のクリアミスを誘い、オウンゴールで勝ち越した。2得点に絡む活躍に「90分で勝ち切れたのは、チーム全員で目標に掲げていたので良かった」と胸を張った。

 日本サッカー協会が設立したJFAアカデミー福島の1期生で、なでしこリーグで14年から2年連続得点王に輝いた。168センチの長身を生かした空中戦の強さも備え、将来のエース候補と期待されたが、16年リオ五輪アジア最終予選の直前合宿で左ハムストリング(太もも裏)筋挫傷と診断。その後は調子を落としたが、17年に千葉から浦和に移籍するなど環境も激変。復活を目指してきた成果が実りつつある。

 激戦を勝ち抜き、チームにも勢いが芽生えつつある。なでしこジャパンは優勝した11年ドイツW杯の戦いに象徴されるように接戦を泥臭く戦い抜くのが真骨頂だ。この日も中盤以降は韓国の猛攻を受けながら、全員が体を張った守備で耐えしのいだ。シュート数は日本の4本に対し、韓国は14本。高倉麻子監督(50)も「相手の圧力をずっと受け続ける形になった。それを押し返す、パスをつないでいくスタイルをなかなか出せなかった」と振り返り、「勝てたことがすべて」と選手の執念をたたえた。

 24日には妹分の“ヤングなでしこ”がU―20W杯フランス大会で初優勝。11年のA代表、14年のU―17代表と合わせ、女子サッカー史上初の全世代制覇の偉業を成し遂げただけに、A代表も負けていられない。海外組や阪口夢穂(日テレ)が不在でベストメンバーとは言えない状況だが、正式種目となった1990年大会から8大会連続のメダルが確定。4月のアジア杯に続く頂点へ、あと1勝だ。

 ◆菅沢 優衣香(すがさわ・ゆいか)1990年10月5日、千葉市生まれ。27歳。幼稚園の年中から兄・孝也(元アルビレックス新潟シンガポール)とFC幕西でサッカーを始める。幕張西中を経て06年にJFAアカデミー福島に1期生として入校。09年に新潟入団。13年に地元の千葉、17年に浦和に移籍した。14年からなでしこリーグで2年連続得点王。168センチ、65キロ。

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