【札幌】小野、イニエスタと初対決も勝利優先「マッチアップうれしいが、個人戦じゃない」

スポーツ報知
紅白戦でシュートを放つMF小野(中央)

 J1北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(38)が、世界トッププレーヤーを下し、節目を飾る。札幌は明日9月1日、札幌ドームで神戸と対戦する。メンバー入りが確実な小野は、同戦でピッチに立てばJ1通算200試合出場達成となる。注目が集まるスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)との初対戦を楽しみにした小野だが、まずは3連勝を第一の目的に掲げ、最大限の力を発揮しにいく。

 個人的な感情は封印した。「すごい」と認めるイニエスタとの初対決にも、小野の心にブレはなかった。神戸戦を2日後に控えた30日、試合への思いを聞かれ、はっきりと口にした。「マッチアップする時があればうれしいが、個人戦じゃないから。チームとして勝つことが何より大事」。自身の活躍より勝ち点3を欲する男は、注目される戦いにも信念を貫き、ピッチに立つ。

 「天才」と呼ばれてきた2人の初対戦。周囲の期待する声にも、小野は「スペインの選手のボールタッチはずぬけているが、その中でも彼は最前線でやっていた選手。僕なんかが比べられるのはおこがましい」と話したよう、W杯優勝経験もあるイニエスタに一目置いている。ただ直接ぶつかる以上、過度な意識は捨てる。「学べる点はたくさんあると思うが、リスペクトし過ぎず、積み上げてきたものを出すだけ」。一選手として、真っ向勝負する。

 前節清水戦(25日)では後半28分から出場し、1分後にFW都倉の決勝点をアシストした。J1通算200試合出場まであと1として迎える神戸戦。先発の可能性は低いが「出る時間が短いのは分かっているから。そこで最大限の力を発揮して、何かしらできれば」と意に介してはいない。与えられた持ち場で最善を尽くし、結果を出しにいく。

 30日の紅白戦では控え組に入り、“イニエスタ目線”でプレー。練習後にはミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)に気付いた点を助言した。オランダ、ドイツ、オーストラリアと3か国の海外クラブと日本代表で世界を知り尽くした小野が、経験を存分に注ぎ込み、3連勝の原動力となる。(砂田 秀人)

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