【宏太’Sチェック】サッカーに過去の栄光関係なし

スポーツ報知
1日・神戸戦の前半、イニエスタ(右)を個人技でかわす札幌・チャナティップ

◆明治安田生命J1リーグ第25節 札幌3―1神戸(1日・札幌ドーム)

 サッカーというスポーツは、過去の栄光など関係ないと感じさせてくれた神戸戦だった。相手はイニエスタやポドルスキが来たことで自分たちがビッグになったような空気があり、集中力を少し欠いていた。対して札幌は、自分たちの強みをしっかり理解し、誰かがボールを持ったらチャナティップを見るなど、すべきことをオートマチックにしていた。神戸にプレスも全く効かせなかったし、完勝と言っていい内容だった。

 前半戦は手探りの面もあったが、今は戦術が浸透し、楽しいサッカーができている。過去の札幌は守備から入る、降格しないなどの方針が足かせになっていた感がある。そこにペトロヴィッチ監督が来て、サッカーを楽しむ、ゴールを目指すという根本の大切さに気付かせてくれた。失点しても取り返せばいいと選手が自信を持ってやれているのが、好試合につながっている。

 笛が鳴った瞬間に蹴った福森のFKに対して色んな意見が出てるが、鳴った時にボーッとしていた神戸の選手が多かったのは事実だし、福森の方が集中していたということ。先制点の菅も素晴らしい仕事をしてくれた。中断明け初戦は前半戦で違いを見せられた川崎が相手だが、ACL出場を目指すためにも、今回は進化を見せて勝たないといけない。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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