Jリーグ、選手登録無限、5人同時起用外国人枠拡大へ…来季導入プラン各クラブに提示

スポーツ報知
Jリーグの外国籍枠の現行と改正後の変化

 Jリーグが来季から計画する外国籍枠拡大の詳細が7日、分かった。チームに登録できる外国籍選手を現行の「5」から「無制限」、試合出場&ベンチ入りを「3+1(アジア枠)」から「5」にするプランをJ各クラブに提示。承認されれば、今季J1神戸に加入したMFアンドレス・イニエスタ(34)やJ1鳥栖に加入したフェルナンドトーレス(34)クラスの大物選手を1クラブが同時に5人起用できるリーグへと変貌を遂げることになる。

 Jリーグが“ミニ銀河系軍団プラン”をJ54クラブに提唱した。複数の関係者によると、6日に行ったJリーグの強化担当者会議で、来季から導入しようとしている外国籍枠拡大プランが伝えられた。現行はチームの保有が5人でベンチ入りと出場が3人。加えてAFC(アジア・サッカー連盟)加盟国1人の計4人(Jリーグ提携国は外国籍枠にカウントしない)だが、来季から保有は無制限、ベンチ入りと出場は5人(提携国の扱いは変更なし)という提案がなされた。

 今季は神戸に元スペイン代表MFイニエスタ、鳥栖に同FWフェルナンドトーレスが加入。名古屋にも元ブラジル代表FWジョーが加入したが、新プランでは欧州や南米のビッグネームが最大5人同時にプレーできる。元フランス代表MFジダンやポルトガル代表MFフィーゴらが集ったRマドリード(スペイン)のような“銀河系軍団”のJリーグ版が実現できる。

 関係者によればJリーグは「リーグの魅力を高める」「外国人選手とともに日本人がプレーすることでプレーの質が高まる」「競争することでの成長に期待」というメリットがあると主張。一方でJクラブの関係者からは「資金力などによるクラブ間の格差が広がる」「外国籍選手の門戸を広げることで、日本人選手のプレーの機会が減る危険性がある」などのデメリットがあり、現時点での導入は「時期尚早だ」という声が上がっている。ロシアリーグなどでは外国籍枠を拡大したことで一時、自国の代表が弱体化した例もある。

 Jリーグは今月中にクラブの代表者が集う会議で議論し、10月中にも来季の導入を決めたい方向。日本サッカー界の未来を決める重要な決断となるため日本サッカー協会の承認も必要で、慎重な判断が迫られる。

 ◆Jリーグ提携国 Jリーグがアジア戦略を推進する目的で提携した国。タイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの8か国。上記国籍を有する選手は外国籍枠に入らない。

 ◆海外の外国籍枠

 ▼イングランド、スコットランド 登録、出場は無制限(ビザ所有選手のみ)。自リーグなどでのプレー期間をクリアした選手を8人以上登録義務

 ▼スペイン EU加盟国国籍選手の保有は無制限。EU圏外選手(トルコなど一部を除く)の登録は3人まで。出場は無制限

 ▼イタリア 基本的に保有は無制限、EU圏外選手の出場は3人まで

 ▼ドイツ ドイツ国籍選手12人、自クラブで育成した選手4人の保有義務

 ▼ポルトガル EU加盟国とブラジル人選手の保有は制限なし。それ以外の国籍の選手登録は6人、1試合の登録は4人まで

 ▼中国 保有は外国籍枠4、AFC加盟国枠1。同時出場は外国籍枠3とAFC枠1。GKは自国選手以外は不可

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