【札幌】北海道に今季初の4連勝届ける ペトロヴィッチ監督「皆さんに勇気と希望を」

スポーツ報知
大声で指示を出すMF早坂(右)(左はDF金眠泰)

 J1北海道コンサドーレ札幌が、ピッチから北海道に元気と勇気を与える。6日未明に発生した北海道胆振東部地震の影響で、練習が2日間中止となっていた札幌が8日、宮の沢で7日ぶりに再始動。紅白戦など2時間弱、ボールを追った。15日には敵地・川崎戦が控える。今季初の4連勝という明るいニュースを一人でも多くの道民に届けるためにチームは一致団結した。

 北海道を元気づけるために、札幌が新たな一歩を踏み出した。地震による2日間の練習中止を経て、7日ぶりの練習再開。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)は「仕事ができる状況に戻ったことは幸せ」と口にした後、こう続けた。「チームとして、皆さんに勇気と希望を持ってもらえるような戦いを見せていかないと」。川崎戦で今季初の4連勝を勝ち取り、被災した北海道に希望の灯をともす覚悟をみせた。

 午前10時、クラブハウス内でのミーティングから再始動した。ペトロヴィッチ監督からは選手に対し「地震の被害を受けた人をどうサポートしていくかを考え、行動しよう」と言葉が発せられ、それを受けた全員が北海道のために何をすべきかを再確認した。選手会長のFW都倉賢(32)は「僕らはプレーでしか還元できない。プロとして言い訳することなく準備していきたい」。まずは1週間後に控える戦いで最善を尽くすことを肝に銘じた。

 思いは一致している。MF早坂良太(32)も「サッカー選手としてピッチで一生懸命やるのが一番大事」と強調した。大阪に住んでいた小4の時、阪神・淡路大震災に見舞われた。親を亡くし、近所の仮設住宅で暮らす同級生もいた。7日夜まで水と電気が止まっていたが「寝るところがあって、家族みんな元気なんだから。それで十分」と被災も悲観はしていない。「またサッカーができる環境を作ってもらったんだから。できる事をしっかりやらないと」。プロとしてすべき仕事を全うする事だけを考え、皆で前に進む。

 復興への貢献も頭にある。都倉は「きちんと支援が届く時期を見極め、募金活動や避難生活が長くなれば訪問や交流を考えている」と方向性を示した。ピッチ内外で一人でも多くの道民に喜んでもらいたい。心一つに、札幌が再スタートを切った。(砂田 秀人)

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