代々木公園に4万人規模サッカースタジアム建設へ…「渋谷未来デザイン」が発表

スポーツ報知
渋谷未来デザインが発表したスタジアムのイメージ図

 渋谷区の外郭団体である一般社団法人「渋谷未来デザイン」が13日、渋谷キャストで行われたイベントで、民間主導で都立代々木公園内に多目的スタジアムの建設を目指すことを発表した。

 「スクランブルスタジアム」と名付けられた同計画は、ライブやイベント会場に加え、東京23区内初の大規模サッカー専用スタジアムとしての利用を見込んでいる。渋谷のスクランブル交差点のように、多様な人が行き交い、多用な使い方ができるという意味が込められている。元日本代表MF福西崇史氏(42)らと共にパネリストとして出席した日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏(81)は「僕の長年の夢がかないそうだとうれしく思っている。全面的に協力していきたい」とサッカー界を挙げてバックアップしていく姿勢を示した。

 未来デザインが発表した計画では、建設地は代々木公園内の南部。球技場や野外ステージなどの既存施設がある付近で、緑地を削る必要はなく、3~4万人規模を想定している。この日は、建築家の田根剛氏(39)のデザインにスタジアムのイメージ画像を披露。田根氏は、12年11月に最初の新国立競技場のデザインの最終選考まで残った建築家で、代々木公園の自然と調和したスタジアムを目指していく。

 また防災拠点としても区民、都民にとっても存在意義は大きい。代々木公園は災害時の避難者の受け入れ先となっており、10万人にものぼると想定されている。発案者の1人である金山淳吾理事は「防災の観点から見ても色々な使い方ができる。災害時にはトイレの確保にもつながるし、VIPルームやビジネスルームなどを開放したりすることができる」と効果について話した。

 これまで都内には1万人を超すサッカー専用スタジアムはなく、抜群のアクセスを誇る同地にできれば、サッカー界にとっても大きい。川淵氏も「今の日本にはない、世界に冠たるスタジアムになって欲しい」と期待を寄せる。使用するクラブについては未定だが、J1には東京都をホームタウンとするFC東京が存在。昨季のホーム平均観客数は2万6490人で、浦和に次ぐリーグ2位を誇る人気クラブで、現在は調布市の味の素スタジアムを本拠としている。同地であれば、多摩地区からのアクセスも悪くはなく、大きな支障はない。

 まだ構想段階で、実現の可否は今後検討していくことになるが、公に発信した意義は大きい。渋谷区民、そして東京都民の意見を聞きながら、スクランブルスタジアムを作っていく。

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