【札幌】震災後初公式戦、まさかのワーストタイ7失点大敗

スポーツ報知
前半、ボールを競り合う札幌・都倉(中央)

◆明治安田生命J1リーグ第26節 川崎7―0札幌(15日・等々力)

 北海道コンサドーレ札幌がクラブ史上最多タイとなる7点を奪われ、6試合ぶりに黒星を喫した。アウェー・川崎戦は、序盤に先制機が3度訪れるも決められず。流れを相手に渡し、前半28分を手始めに失点を重ねて、0―7で敗れた。6日に発生した、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震後、初の公式戦。被災した人々を勇気づけようと強い気持ちで臨んだ戦いだったが、願いはかなわず。対川崎は4引き分け16敗となり、またも白星は挙げられなかった。

 3000人のサポーターが奏でる「コンサドーレ」のコールが、止まることはなかった。2012年以来、6年ぶりに喫した最多タイとなる7失点。完敗といえる結果にも、控室に入った後も注がれ続けた声に、札幌イレブンは雪辱への思いを強くした。MF宮沢裕樹主将(29)は「勇気づける気持ちだったが、逆に僕らが勇気づけられた。この恩はサッカーで返すしかない」と声を強くした。

 北海道胆振東部地震発生後、初の試合。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)は「勇気のある試合をやろう」と皆を送り出した。喪章をつけて臨んだ選手は、勝利に向け、積極性を出し続けた。開始14分までに3度、フリーでシュートする場面があったように、気持ちはピッチで示した。自陣から攻撃機会を伺い、引かずに前に出て行こうとしたボールを奪われるなどし、大量失点こそ喫した。ただ、その戦いが恥じるものでなかったことは、ファンの声援が示していた。

 試合前までプラス6だった得失点差はマイナスとなり、勝ち点で並ばれた仙台に抜かれ、5位に落ちた。ただ支えてくれる人々のためにも、ここで踏ん張ってみせる。6年前の7失点を経験している宮沢は「今は自分たちのやっていることに自信を持っているから。今日はそれを出せなかったが、同じ7点でも前回とは違う。下を向かず、次に向けてやっていきたい」と言った。次節は札幌ドームでの鹿島戦。本拠地での戦いで、屈辱を晴らし、今度こそ北海道に明るい話題を届ける。(砂田 秀人)

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