【岩政大樹 オン・ザ・ピッチ】戦術家リージョ神戸新監督の挑戦に注目

スポーツ報知

 神戸の新監督にスペイン人のフアンマヌエル・リージョ氏が就きました。リージョ氏は、世界の名だたる監督たちがこぞって教えを請う“戦術家”です。経歴だけ見ると、監督としてのマネジメント能力には未知数の部分があるように感じますが、コーチ陣や通訳までを切り替えての刷新は注目に値するチャレンジでしょう。イニエスタ選手に続く大物の指導者の日本到来は、世界のサッカー界を驚かせています。

 リージョ氏を師と仰ぐ監督の一人、グアルディオラ氏が監督として出現してきて以降、この十数年で世界のサッカーはどんどん変わってきました。サッカーはよりスピーディーに、かつ、より整備されたものに変化してきました。そのため、選手は「アスリート能力」と「考える力」を同時に高いレベルで発揮することを求められてきています。つまり、監督にはそれをピッチの上で選手たちに伸び伸びと表現させられるだけの論理とカリスマが必要になってきたということです。

 Jリーグも一つの大きな波を迎えています。放映権は以前から比べて莫大(ばくだい)になり、新しいチャレンジをするクラブも出てきました。日本の先を行く欧州には、どんどん変わりゆくサッカーがあります。

 変化と継続。ここから先は「変えるべきもの」と「変えずにいるべきもの」を的確に見極めていく目がより求められていきます。“待ち”の姿勢だけでは置いていかれ“攻め”に的確さを欠けば入れ替わられてしまいます。

 “戦術家”といわれるリージョ氏はサッカーの何を見ているのか。神戸はこの先にどんな未来を見ているのか。他のJクラブはこのチャレンジをどう見ているのか。歴史の格言に「生き残るのは変化に最もよく適応できたもの」という言葉がありますが、日本サッカーはまさにそんな時代に突入したと言えるでしょう。(東京ユナイテッド、元日本代表DF)

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