【清水】北川、今季3度目2戦連発で9位浮上!6年ぶりF東京撃破でダービーに弾み

スポーツ報知
後半20分、先制ゴールを決めてスタンドを指さす北川

◆明治安田生命J1リーグ第28節 F東京0―2清水(29日・味スタ)

 清水エスパルスはF東京を2―0で下し、9位に浮上した。このカードは12年以来、11試合ぶりの白星。後半20分、FW北川航也(22)が今季3度目の2戦連発となる先制ゴール。同36分にはFWドウグラス(30)がPKを冷静に沈めて突き放した。守備陣も踏ん張って10試合ぶりに完封をマークし10月7日の静岡ダービー(アイスタ)に向けて最高の弾みを付けた。

 強い雨を切り裂き、ボールはすっ飛んでいった。後半20分、ドウグラスがミドルシュート。相手GKがたまらずはじいた所に駆け込んだ北川が、頭で捉えた。「ドグのシュートに反応できるように準備していた。大きいですね」。28試合目で今季9号。若きストライカーが、4年目で初の2桁得点に王手をかけた。

 壁を乗り越えた。今季はコンスタントにゴールを奪ってきたが、7月22日のG大阪戦を最後に9戦不発。チーム成績も安定せず、悩みは深まった。

 「正直、去年までならアドバイスをもらってた」。昨季から練習前に共に体幹トレを行い、公私ともに兄貴分として慕うGK六反に助けを求めることはしなかった。常々言われているのは「俺が海外にも付いていけるわけじゃない」。欧州でプレーする夢をかなえるには、“独り立ち”が必要なことも分かっていた。

 だから自分で考え、答えを出した。「やり続けることが大事。守備も、ドリブルも、裏を取ることも。続けることで分かることがある」。六反も「子育てのような心境」と9歳下の後輩を信じ、復調を待った。前節のG大阪戦から2戦連発。泥臭いプレーを続け、ようやく視界が開けた。

 守護神も後半33分、MF高萩のシュートを横っ飛びでスーパーセーブ。10試合ぶりの完封に貢献し「GKとしては良かった」と笑った。次節は今季最後のダービーだ。北川は「本当に大事なのは次」と鋭い視線で言った。(武藤 瑞基)

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