【宏太’チェック】札幌は90分通して鳥栖にダメージ与え続けた

スポーツ報知
勝ち越しゴールを決め、雄たけびをあげる札幌・都倉

◆明治安田生命J1リーグ第28節 札幌2―1鳥栖(29日・札幌ドーム)

 北海道コンサドーレ札幌が劇的勝利で、J1でのチーム最多勝ち点を更新した。ホーム・鳥栖戦は1―1の後半50分、FW都倉賢(32)が自ら奪ったPKを決め、2―1で勝利した。

 札幌はペトロヴィッチ監督の手腕がさえた。ジェイと都倉を共存させなかったことで、役割がはっきりし、攻撃がすっきりした。守備も3バックの中央に宮沢を置き、ビルドアップをスムーズにさせた。選手だけでなく、見ている人にも分かりやすい起用をしたことで、皆が混乱することなく戦えた。

 決勝点のPKを決めた都倉は、それを呼び込んだプレーが巧みだった。反則を受ける前、都倉はあえて相手が食いついてきそうな場所にボールを置いた。そこを相手が奪いに来たところをターンして抜け出し、決定的シーンを作った。もし、ゴールから離れるような体勢でキープして味方が来るのを待てば、スムーズな攻撃にはなる。しかし、それでは相手を食いつかせることはできない。そこを考えて、ゴールに近付いていった都倉の執念と得点への執着心が、PK獲得につながった。

 都倉のプレーは見事だったが、それも常に試合を優位に進め、相手の体力を少しずつ削り取っていったからこそ。ロールプレーイングゲームでも、いきなりヒットポイント500の強敵を倒せる訳ではない。90分を通して相手にダメージを与え続けたから、最後に好機が巡って来た。チームが一丸となって戦い抜いたからこそ、得られた結果と言える。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

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