【清水】磐田に5発圧勝 北川、開始50秒“ダービー史上最速弾”含む2発

スポーツ報知
前半1分、“ダービー史上最速弾”を決める北川(カメラ・武藤 瑞基)

◆明治安田生命J1リーグ第29節 清水5―1磐田(7日・アイスタ)

 今季ラストダービーはエスパに軍配―。清水エスパルスはジュビロ磐田を5―1で下し、リーグの磐田戦では13年10月27日以来、1806日ぶりの白星を挙げた。FW北川航也(22)が開始50秒の“ダービー史上最速弾”を含む2ゴール。同カードで過去最多タイのチーム5得点の内、4点にからむ大活躍を見せた。

 夢に見た光景が広がっていた。1年前、ピッチに悔し涙を落とした男の目は、この日も赤くなっていた。お立ち台。北川は言った。「自分は幸せものです」。昨年0―3で惨敗した同じ相手、同じ場所でこれ以上ないリベンジ。鳴りやまない自身の応援歌に身をゆだね、大勝の余韻を味わった。

 前半50秒。ドウグラスのパスを受け、ドリブルから左足を振り抜く。ポストをかすめたシュートがネットに吸い込まれた。リーグの磐田戦では過去最速弾に「名前を残せて良かった」。同38分にはDFの間を抜くパスで助っ人の得点を演出した。

 後半16分、再びパスを送ってドウグラスの3点目を呼び込み、同27分にはMF石毛からのボールを受け右足でダメ押し弾をぶち込んだ。チーム単独トップの今季11号。プロ4年目で初の2桁に達し「積み上げてきたものがあるからこその結果」と胸を張った。

 “ノボリの教え”が効いた。無得点が続いていた先月中旬。練習試合で三保を訪れた常葉大・沢登正朗監督(48)から諭された。「シュートは全部100%で蹴る必要はない。7割でいい」。練習から脱力を意識。レジェンドの金言を受け入れ、初の3戦連発につなげた。

 チームは今季最多得点で連勝し9位に浮上。5試合を残し、残留の目安と言われる勝ち点40に到達した。次は20日に広島戦。「もっとうまくなりたい。貪欲に結果を出し続けたい」。下部組織で育った生え抜きの22歳が、オレンジ軍団のエースになった。(武藤 瑞基)

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