【札幌】都倉賢、2年連続J1残留へ思い出深い湘南倒す

スポーツ報知
スライディングでボールを奪いに行くFW都倉(手前右、カメラ・砂田 秀人)

 北海道コンサドーレ札幌FW都倉賢(32)が思い出深い相手を倒し、J1残留を決める。札幌は20日、アウェー・湘南戦に臨む。出場停止明けの都倉は、勝てばクラブ初の2年連続残留が決まる戦いに向け、19日に札幌を出発した。Shonan BMWスタジアム平塚は、2014年3月16日に札幌でのデビューを飾った会場。同年のホーム戦ではクラブ通算1000得点を決め、今年4月の対戦では1―0勝利の決勝点を挙げた。2戦ぶりピッチでも輝きを放ち、都倉が札幌の歴史に新たな1ページを刻む。

 万全の態勢は整った。出場停止明けとなる9月29日・鳥栖戦以来の戦い。試合から3週間遠ざかっているが、都倉は「しっかり準備してきたので。感覚はいい」と強調した。練習試合2戦で実戦勘を落とさずに迎える復帰戦だけに「あとはやるだけ」と自信を見せ、札幌をたった。

 湘南に勝てば、クラブ史上初となる2年連続のJ1残留が決まる。昨オフ、都倉は一つの思いを口にした。「今までは、堅く、大崩れしないチームが残留の目標を達成できた。ただ、更にクラブとして大きくなるためには、攻撃的な色を出していかないと上には行けない」

 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)が来たことで、思いは形となった。19日時点で5位につけ、昨季は32試合目で決めた残留を、29試合目で果たす可能性がある。「長い目で見た時、コンサドーレの色が決まってくる大事な1年」。そう臨んだ今季、まずは残留という一つの節目を達成させる。

 今日戦う平塚のピッチは、札幌のユニホームを着て初めて試合した場所だ。後半15分から出場し、0―2で敗れたものの、同年10月には自身の代名詞「節目がち」の原点となったクラブ通算1000得点を決め、2―0と雪辱した。今年のホーム戦でも決勝点を挙げるなど、湘南との相性はいい。札幌デビュー戦以来となる平塚での戦いへ、都倉は「粘り強く戦うこと。90分通してやってきた成果を出せれば」と言った。

 今日の試合はベンチスタートが濃厚だが、直近のゴールは後半29分から出場し、1―1の同50分にPKを決めた前々節の鳥栖戦だ。勝負強さはむしろ生きる。昨年はメンバー外で味わえなかった残留決定の笛を、今年はピッチで聞く。(砂田 秀人)

サッカー

×