【清水】北川、自身初の4戦連発でチーム3連勝「自信になる」

スポーツ報知
前半19分、右足で先制ゴールを決める北川(カメラ・武藤 瑞基)

◆明治安田生命J1リーグ第30節 清水2―0広島(20日・アイスタ)

 清水エスパルスは2位の広島を2―0で下し、今季2度目の3連勝を飾った。前半19分、日本代表FW北川航也(22)が自身初の4戦連発となる先制弾。後半2分にはFW鄭大世(34)が19試合ぶりとなる今季2号で加点した。清水が11試合連続で得点するのは、09年以来9年ぶり。GK六反勇治(31)も好セーブを連発し今季6度目の完封をマーク。勝ち点を43に伸ばし、8位に浮上した。

 忍者のようにしのびより、仕留めた。前半19分の右CK。MF石毛が意表を突くグラウンダーを送る。気配を消していた北川は猛然とニアへダッシュ。フリーで右足を振り抜き、右隅を射抜いた。「代表から帰って最初の試合で結果が出たのは自信になる」。J1での4戦連発は清水では13年の大前(現大宮)以来。今季12号でチームを勢いづけた。

 7日の磐田戦後の深夜。初の代表招集を告げる電話を受けた。「その夜は眠れなかった」。幼い頃からの夢をかなえ、胸の高鳴りが止まらなかった。

 初めて足を踏み入れたサムライブルーの世界は想像を超えていた。スピード、コンタクトの強度…。足りないものに気付かされた。「(Jで)10点取って、それを持って行くだけだと思ったけど、それだけじゃダメ。早く“代表基準”にならないと」。12日のパナマ戦で初出場。刺激に満ちた9日間の合宿を終え、さらに上を目指す決意が固まった。

 後半2分にはゴール前でテセに絶妙なパスを送り、2点目をアシスト。得点から遠ざかっていた8月、故障で離脱していた背番号9から「FWはそんな時もある。チャンスは作れているし抱え込まなくていい」と励まされたことがある。チームの成績を左右するストライカーだからこそ分かる温かい一言をくれた先輩に、試合で恩返しできた。

 ドウグラスを故障で欠く中で完勝し、勝ち点は43に。ACL圏内も夢ではなくなってきた。「上を目指していく」。エースの言葉は、力強く、頼もしい。(武藤 瑞基)

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