【川崎】2度PK失敗の小林が“3度目の正直”…家長から「エースはお前だ」

スポーツ報知
先制点となるPKを決めた川崎・小林

◆明治安田生命J1リーグ第30節 川崎5―3神戸(20日、等々力陸上競技場)

 最初から左と決めていた。0―0の前半13分。PKのキッカーはFW小林だ。ゆっくりとした助走から右足を振り抜き、GK金の飛んだ方向と逆の左に低い弾道で流し込んだ。「今日は(蹴る方向を)決めてましたね」。ゴールネットを揺らすと、雨中で叫んだ。

 9月24日の湘南戦(BMWス)、10月7日の鹿島戦(カシマ)と小林は連続してPKを失敗。ともに試合は引き分けに終わっていた。「自分は蹴りたかったけれど、チームのことを考えたら(自分か家長か)どっちがいいかなというのはあった。アキ(家長)くんが蹴るといったら譲るつもりでいた」と背番号11。鬼木達監督(44)は試合前に小林に対して「あんまりプレッシャーを感じているようだったら、アキ(家長)と話して(キッカーを)決めろ」と指示していたという。

 PKを獲得後、小林は家長に「蹴りますか?」と問いかけた。すると、家長が返した言葉は「フロンターレのエースはお前だ。お前が蹴れ」だった。MF中村からも「(PKは)お前が乗り越えないとダメだ」とゲキが飛んでいた。湘南戦は中央、鹿島戦は右に蹴って外した。この日は左に蹴って、見事な先制点を奪った。

 試合は一時2点差をつけられたが、一気の4得点で5―3の勝利。2位広島との勝ち点差を4と広げ、連覇はもう目の前。エースがエースの役目を果たし、チームメートがエースを信頼し、いよいよV2は迫ってきている。

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