【鹿島】ACL初決勝へ 水原三星に2戦合計で崖っぷちから追いつき逆転

スポーツ報知
鹿島VS水原の得点経過

◆アジア・チャンピオンズリーグ ▽準決勝第2戦 水原三星3―3鹿島(24日・水原ワールドカップスタジアム)

 【水原(韓国)24日=岡島智哉】鹿島が水原三星と3―3で引き分け、2戦合計6―5でクラブ初の決勝進出を決めた。2戦合計4―2で迎えた後半に3失点し劣勢に立たされたが、後半19分にDF西大伍(31)、37分にFWセルジーニョ(23)が意地のゴールをたたき込んだ。決勝は11月3日にホーム、10日にアウェーで行われ、ペルセポリス(イラン)と対戦する。

 鹿島のタイトルへの執念がこもったボールが、ネットに突き刺さった。2―3で迎えた後半37分。FWセルジーニョが右からのボールを受け、右足を豪快に振り抜いた。ACL4戦連発で決勝進出を決定づけ「チーム全員で戦った。みんなの気持ちがこもったシュートだった」。J最多19冠の鹿島が唯一、手にしていないタイトルに、王手をかけた。

 前半はほぼ完璧な試合運びだった。25分にセルジーニョのFKをDF山本が頭で押し込み先制し、2戦合計4―2とした。だが、後半に落とし穴が待っていた。後半7分からの8分間で3失点の悪夢。3失点目は守備の要のDF昌子が完全に振り切られた形だった。

 直後、自陣中央に選手が集まっていった。最初は2、3人だったが、DF陣、そして最前線からFW鈴木も駆けつけた。「(昌子)源くんが少し引きずっているように見えたので。源くんがしっかりまとめてくれないと」。ゲキを飛ばされた主将が顔を上げると、自然と全員の肩に手が回された。円陣の中央で昌子は大声を上げた。「まず1点返そう。1点取ったら同点だ」

 窮地で一丸になると、4分後、西が反撃の狼煙(のろし)となる2点目。37分にセルジーニョが3点目を挙げた。勇気を持って前に人数をかけた背後は、GK権がファインセーブでカバー。昌子は「いろいろな選手がいろいろと言えるようになってきている。若手だったり、ベテランだったり、それぞれの役割があっての鹿島」と、うなずいた。

 敵地での2点ビハインドから驚異の粘りでもぎ取った決勝では、ペルセポリスと対戦する。イラン代表数人を擁し、敵地では10万人近い動員が予想される難敵だが、鈴木は「10万人でしょ? たまらねえっすね」と運命の一戦を心待ちにした。悲願のタイトルまであと1つ。アジアの頂が、いよいよ見えてきた。

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