【札幌】クラブ初2年連続J1残留 ジェイ2発で3位浮上

スポーツ報知
前半42分、2点目を決めガッツポーズするジェイ(カメラ・古川 浩司)

◆明治安田生命J1リーグ第18節 名古屋1―2札幌(28日・パロ瑞穂)

 北海道コンサドーレ札幌が、クラブ史上初の2年連続J1残留を決めた。アウェー・名古屋戦は、FWジェイ(36)の2得点で2―1と勝利。勝ち点48とし、ACL出場圏内の3位に浮上した。今季就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督(61)のもと、攻撃的スタイルを徹底し変貌を遂げたチームは、クラブが常に目標としてきた「J1定着」をこの日、一つの形とした。

 札幌の歴史に新たな1ページが刻まれた。名古屋を破って決めた、クラブ初の2年連続J1残留。勝利の瞬間、ベンチ前でペトロヴィッチ監督を中心に円陣が組まれ、イレブンは喜びを分かち合った。「重要な戦いで全員が戦う姿勢を表現してくれた」。就任1年目、植え付けてきた成果を出した選手を、指揮官はそう賛辞した。

 30試合を終え、順位は3位と、ACL出場権に入った。大躍進に見える結果だが、ペトロヴィッチ監督には開幕前から確信があった。

 1月13日に行われた新チーム披露イベントの直前、指揮官は野々村芳和社長(46)にこう問いかけた。「今年の目標は4位と言おうと思う」。昨季の順位は11位。野々村社長が「恥ずかしいから7位くらいにしておいて」と進言し、その言葉は封印されたが、手応えはあった。「札幌には可能性のある選手がたくさんいる」。若手を積極起用した先にある結果を予見し、実際に形とした。

 その原動力となったのが一つの言葉だった。ペトロヴィッチ監督から練習中に出る「ブラボー」のひと言が、選手の自信につながった。チーム最多12点を挙げるFW都倉賢(32)は言う。「結果だけで評価されたら結果を追い求める練習になるが、トライして失敗しても『ブラボー』と言われることで、皆が挑戦を恐れず、できなかったこともできるようになっていった」

 残留も決まり、来季続投が確定的となったペトロヴィッチ監督だが、その意欲に衰えはない。「今日の試合も5点取れるチャンスが十分にあった。そういう意味で、選手はまだまだ学ばなきゃいけない」。更に上を追い求める来季へ、まずは世界舞台への切符をつかみ取る。(砂田 秀人)

サッカー

×