引退の川口能活「闘争心の塊」一転私生活では「鈍感」

スポーツ報知
川口能活

 J3相模原の元日本代表GK川口能活(43)が4日、今季限りで現役引退することを表明した。14日に引退会見を開き、12月2日のリーグ最終節・鹿児島戦後に引退セレモニーを行う。

 川口のプレーは「闘争心の塊」だったが、ピッチを離れると「天然」や「鈍感」という言葉がしっくり来る。

 10年南アW杯。各紙1面でサプライズ選出を扱い、ワイドショーでも大々的に取り上げられた。まさに時の人。その翌日だった。私が磐田の練習場付近のレストランに入ると、近所のおばさんに交じり、サラダバーの列に並んでいた。「全然気にならなかったよ」。「トラックの運転手が夢だった」と、突然軽トラで練習に来たかと思えば、コンビニで漫画の立ち読みを日課にすることもあった。

 最近は相模原の練習場から一緒に帰る時間が何より楽しみだ。「監督とGKコーチ、どちらに向いてるかな」などと話しながら電車に揺られた。「みんな携帯を見ているから気づかれないよ」と笑っていたが、マスク姿でもバレバレだった。

 サッカーに関しては「敏感」であり続けた。体と向き合い、練習場を出るのは最後。チームバスの長距離移動で痛む膝を憂慮し、今季は自費で新幹線移動した。三島で週に一度のはり治療は今も欠かさない。オンとオフの切り替えも超一流だった。(田中 雄己)

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