【川崎】追われる難しさ痛感したMF大島は連覇に「ホッとしている」と安堵

スポーツ報知
優勝を決めた大島ら川崎イレブン

◆明治安田生命J1リーグ第32節 C大阪2―1川崎(10日、ヤンマースタジアム長居)

 初優勝からの連覇を達成した川崎のMF大島僚太は試合後、「ホッとしている気持ちがあります」と素直な心境を明かした。昨季は最終節で逆転し、初優勝したが、今季は第28節で首位に立った。「首位を追いかける時はがむしゃらだと思いますが、首位に立った時、がむしゃらさを出せるかが必要だと思いました。大胆さに欠けるとか、そういうものが今日の試合に出てしまったのかなと思いました」。優勝を勝利で飾れなかったことを悔いた。

 今季は多くのことを学び、成長した1年だった。

 ロシアW杯メンバーに入り、事前合宿地のオーストリアで偶然エレベーターで一緒になったMF本田(現メルボルンV)から突然のアドバイスを受けた。「サッカーの最先端が欧州である以上、欧州のプレーを肌で感じるべきだ」。その言葉に納得をしながらも、「環境のせいにはしたくない」と、川崎でも成長できるところを見せようとやってきた。ロシアW杯では出場なしに終わり、「(試合に)出て何かを感じ取って成長できるチャンスだった。それができなかったのは残念」。ピッチのサイドラインをまたぐのと、またがないのでは差があると痛感した。

 ロシアW杯で敗退し、帰国。そのまま自宅に戻らずに向かったのは等々力競技場だった。そこでは川崎と磐田が非公開で練習試合を行っていた。W杯期間中にFW大久保が磐田に完全移籍。今までともにプレーし、自らを成長させてくれた先輩にお礼と別れのあいさつをするためだった。「移籍はふつうのこと。(名古屋に移籍したエドゥアルドネットも含め)2人は多くのものを残してくれた。感謝もあるし、寂しさもある」。礼に始まり、礼に終わる。律義な10番なりの流儀だった。

 連覇はしたが、満足はできない。アジア・チャンピオンズリーグ、ルヴァン杯、天皇杯は敗退した。大島は「残り2試合をしっかり勝ちきりたいし、来年3連覇もしたいです。取れなかったほかのタイトルもあるし、悔しさもあります」と話し、さらなる成長を自身に課した。

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